作業療法士として働いていると、いろんな理由から「退職」を考えることが一度や二度はあります。しかし、「上司に言うのが怖い」「引き止められそうで言い出せない」などの理由から、退職を先延ばしにしている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、円満退職を目指す作業療法士の方に向けて、上司に受け入れられやすい退職理由とその伝え方をご紹介します。退職を切り出す第一歩が踏み出せない方、わだかまりを残さず気持ちよく退職したい方は、ぜひ参考にしてください。

退職理由をどう伝えらたら良いかわからない

退職に向けて踏み出せない方の多くは、「上司が納得するような退職理由が見つからない」「引き止められて、気まずい思いをするでは…」といった不安があるのではないでしょうか。

矛盾しているようですが、「上司やスタッフに迷惑をかけたくない」「円満に退職したい」という思いが強いほど、退職への道のりは遠くなります。円満退職が理想ではありますが、退職によって欠員が出るわけですから、残されるスタッフにそれなりの負担がかかることは避けられません。

自分が嫌な思いをしない方法を考えるよりも、「どのように伝えれば上司もスタッフも納得してくれるか」「現場の負担を最小限に抑えられるか」を考えて、退職までの道筋を考えてみましょう。

【状況別】退職理由例

どんな理由で辞めるのかによって、上司やスタッフの反応はだいぶ変わってきます。円満退職のコツは、「前向きな理由」「やむを得ない事情」をアピールすることです。「人間関係が悪い」「給与が安い」などの不満があっても、それを正直に伝えてはいけません。

本音をオブラートに包むように、ネガティブ要素をポジティブな理由に変えて伝えるのがポイントです。納得してもらえる退職理由・快く送り出してもらえる退職理由にはどのようなものがあるのか、状況別にご紹介します。

ほかの領域に挑戦したい

作業療法士としての視野を広げるため、異なる領域に挑戦したい。飛躍のための前向きな退職には、上司も「がんばって!」と背中を押してくれるはずです。

【退職理由例】
● ここでは身体障害の方を対象とした作業療法を行ってきましたが、作業療法士としての視野を広げるためにも一度は精神領域で働いてみたいと考えるようになり、退職を決意しました。

● 作業療法士を目指した当初から、児童発達支援に興味がありました。ここでは高齢者への作業療法が中心となるため、児童福祉や発達支援に関われる環境への転職を考えています。

キャリアアップしたい

将来のキャリアプランを考えた上での選択であれば、上司も無理に引き止めることはしないでしょう。作業療法士としてのさらなる高みを目指す姿は、同僚にも眩しく映るはずです。

【退職理由例】
● ◯◯の分野での専門性を身につけたいのですが、今の職場では経験できる症例が限られています。知識や技術を深めるためにも退職し、別の環境で学びたいと考えています。

● 臨床で働く中で◯◯について疑問を持ち、研究したいと考えるようになりました。大学院への進学を考えていますが、ここで働きながら通学するのは物理的な問題があり、引っ越しのタイミングで退職したいと考えています。

いろんな職場を経験してみたい

将来のキャリアプランが定まっていない方は、「いろんな職場を経験して興味や知識の幅を広げたい」というのも、立派な退職理由になります。

【退職理由例】
● 新卒で就職し、5年間こちらで働いてきました。今後のためにも、いろんな領域の作業療法を経験したいと考えるようになり退職を決意しました。

● 将来は、作業療法士として在宅ケアに関わるのが目標です。その前に回復期や介護施設といった職場での経験も積みたいと考えており、退職を決意しました。

家庭の事情

家族の転勤や親の介護といった家庭の事情は、「やむを得ない理由」としてもっとも有効な退職理由のひとつです。

そのため「どうしても引き止められたくないから」と、この退職理由を使う方がいます。「ウソの退職理由」を使う場合は、バレたときのリスクも十分考えた上で慎重に伝えるようにしましょう。

【退職理由例】
● 来月の4月から夫が◯◯県に転勤することになりました。子供もまだ小さいため、夫の転勤先に家族みんなでついていくことになりました。

● 遠方に住む母親が、いよいよ介護が必要な状態になりました。父親も高齢で不安なので、実家の近くに引っ越して仕事を見つけ、介護をしようと思っています。

結婚・出産

結婚・出産といった「おめでたい」出来事も、円満退職できる理由のひとつです。

【退職理由例】
● この度、以前から交際していた方と結婚することになり、相手の地元に引っ越すことになりました。通勤するにはかなり遠いため、退職を考えています。

● この度第一子を授かり、◯月に出産予定です。両親が近くに住んでおらず、仕事と子育ての両立に不安があるため、一旦仕事を辞めて子育てに専念したいと思います。

退職理由を伝える際のタイミングにも注意!

退職理由が決まったら、次は「上司に話すタイミング」を考えてみましょう。法律上は「退職日の14日前」に申告すれば問題ありませんが、一般的な職場では「退職の1~2ヶ月前」に退職意思を申告するよう定めているところが多いようです。

退職の申告時期については職場によって異なるため、退職を考え始めた時点で就業規則を確認すると良いでしょう。就業規則で「退職の1~2ヶ月前」と定められていても、管理者によっては「できるだけ早めに教えてほしい」という人もいます。

退職による人員の補充や業務調整が必要になることもあるため、遅くとも3ヶ月前には退職意思を伝えるのがベストだと言えるでしょう。

また、退職時期は本人の自由ではありますが、円満退職を目指すのであれば職場の繁忙期を避けるのがマナーです。新人や中途採用者が入職してくる時期や異動の時期、研究発表の時期はどうしても忙しくなり、上司もスタッフもピリピリしています。

やむを得ない場合を除き、本人の希望や都合で退職を予定している場合は、職場の状況も考慮した上で退職を伝えるタイミングを決めるようにしましょう。

次のステップに気持ちよく進むためには、去る人・残る人がともに嫌な思いをせず、気持ちよく送り出してもらうことが大切です。今回の記事を参考にしていただき、円満退職を目指してください。

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