作業療法士(OT)の活躍の場は年々広がっており、就職先の選択肢も増えていますが、それに伴い求められる役割や仕事の内容も多様化しており、OTの就職先選びは慎重に行う必要があります。

そのため、キャリアプラン・領域・病期などから希望する施設形態を考えることが、転職活動の第一歩と言えるでしょう。

今回はOTの就職先と仕事についてと、キャリアプランや領域・病期などで考える働き方についてご紹介しますので、転職と勤務先について迷っている方のヒントになれば幸いです。

1.作業療法士(OT)の就職先と仕事

OTの就職先として一般的に病院や施設などを思い浮かべる方も多いと思いますが、近年は活躍の場も広がっており、以下のように多くの選択肢があります。

  • 医療施設(総合病院、回復期病院、精神科病院、クリニックなど)
  • 福祉施設(老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど)
  • 訪問リハビリテーション事業所
  • 訪問看護ステーション
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
  • 通所介護(デイサービス)
  • 発達障害児支援センター
  • 児童福祉施設
  • 児童デイサービス
  • 職業訓練施設
  • 保健所、保健センター
  • 高齢サービス課など行政機関

ここでは、各職場の特徴と仕事内容について簡単に説明したいと思います。

医療施設(総合病院、回復期病院、精神科病院、クリニックなど)

OTの勤務先として最も一般的なのが、総合病院や回復期病院、精神科病院、クリニックなどの医療施設です。

病院では主に入院患者さんのリハを担当し、入院施設を持たないクリニックでは主に外来患者さんのリハを担当します。また、病院の規模によっては感染対策委員会やリスク管理委員会などの委員会メンバーや、栄養サポートチーム、緩和ケアチームなどのチームメンバーなど、臨床業務以外の役割が割り当てられるケースもあります。

福祉施設(老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど)

介護保険関連の老人保健施設や特別老人ホーム、有料老人ホームなどの福祉施設では主に入所者さんのリハを担当します。

個別リハビリテーションの他にレクリエーションや行事等に関わる機会もあり、幅広い経験ができる点も特徴です。運動療法や介護職員と連携し生活リハビリなどにも取り組むことで、入所者さんの生活の質を高めるサポートをしていきます。

訪問リハビリテーション事業所、訪問看護ステーション

訪問リハビリテーション事業所等で提供される訪問系サービスは、利用者さんのご自宅や入所施設に訪問し、生活の場に密着したリハを行うことが特徴です。

基本的にセラピスト1人で訪問する場合が多いため、リスク管理や臨機応変な対応力などのスキルが要求されます。例えば、自宅の環境に合わせた福祉用具の選定や、ご家族への介助方法の指導、ケアマネージャーや介護職との連携など仕事内容は多岐にわたります。

通所リハビリテーション(デイケア)、通所介護(デイサービス)

通所リハビリテーション(デイケア系施設)では、ご自宅や入所施設から通ってくる利用者さんの個別リハビリテーションやリハプログラムの作成を担当します。

また、通所介護(デイサービス系施設)では理学療法士(PT)やOTの配置は必須ではなく求人も少ない傾向にありましたが、近年はリハビリ特化型デイサービスも増加しており求人も増えてきています。

通所リハビリテーションと同じように、個別リハに対応する場合やリハビリ機器利用時の指導や体力測定の実施などがあり、施設によっては利用者さんの送迎を担当する場合があります。

発達障害児支援センター、児童福祉施設、児童デイサービス

発達障害領域のOTの就職先としては、主に発達障害児支援センターや児童福祉施設、児童デイサービスなどがあります。

発達段階に遅れのある子供に対して、日常生活の訓練や行動サポートなどを繰り返し、身体や脳の発達を促していきます。保護者や子供が通う学校や保育園の教諭とも連携を取り、接し方や声掛けの仕方、環境整備などのアドバイスをすることもOTの大切な役割です。

その他(職業訓練施設、保健所、保健センター、高齢サービス課など行政機関)

まだまだ少数派ではありますが、職業訓練施設や保健所、行政機関などに勤務する道もあります。

障害を持った方の職業訓練に携わるケースや、行政機関において福祉政策や介護政策の企画・立案に携わるケースもあります。具体的には障害福祉サービスの相談・調整や、健康教室やリハビリ教室といった運動普及事業に関する取り組みなどが挙げられます。

2.キャリアプラン・領域・病期で考える

先ほどご紹介したように、作業療法士(OT)の就職先の選択肢は広がっていますが、多いが故に迷ってしまうケースもあると思います。ここでは、就職先を考える上で押さえておきたいポイントについて解説します。

キャリアプランがあればそれを叶えられる道へ

将来なりたいOT像がイメージできている場合は、それに近づける職場を選ぶため特に迷わないかもしれませんが、キャリアの幅なども考慮しておきましょう。

例えば、将来は訪問系サービスで高齢者のQOL向上のお手伝いをしたいと考えている場合は、いきなりその業界に行くのも手ですが、新たに働いてみたい施設やキャリアの幅を持たせるためにも、幅広い疾患を担当できる総合病院への就職を目指すのも良いでしょう。

そこで様々な症状や病期の患者さんに作業療法を提供し、医師や他の療法士と連携することで、訪問系サービスで要求される利用者さんの生活の場に合わせた臨機応変なリハビリ内容や環境調整への対応が柔軟になるはずです。

領域から職場を選ぶ

OTが活躍できる領域は、身体障害領域、精神障害領域、発達障害領域、老年期領域の4つに分けられます。現在働いている領域を更に掘り下げていくか、新しい領域に挑戦してみるかで決めるのも手です。

例えば、総合病院に勤務中に整形外科疾患に興味を持ち、ハンドセラピーなどより専門的に勉強できる整形外科病院やクリニックへの転職を考えるなど領域を更に掘り下げるといったケースはよくあります。

自分の興味のある、または得意分野である疾患などから領域を選ぶのも良いでしょう。

病期から働き方を考える

急性期、回復期、維持期、終末期という病期から今後のキャリアを考えてみても良いでしょう。

急性期では術後や発症まもない患者さんに対して、リスク管理を徹底しながら早期離床をサポートしていき、回復期では急性期後の比較的状態が安定した患者さんに対して日常生活動作訓練や作業課題を中心に自立に向けたサポートをしていきます。

維持期では在宅復帰後や施設入所後の環境に合わせた生活リハビリを中心にサポートを行い、終末期では徐々に低下する日常生活動作能力を補う環境調整の提案や省エネ動作の指導など心身両面で患者さんをサポートしていく役割があります。

急性期に興味があれば総合病院や大学病院、回復期であればリハビリテーション病院、維持期であれば慢性期病院や福祉施設、終末期であれば緩和ケア病棟を有する病院や訪問系サービスなどが選択肢として挙げられます。

3.作業療法士(OT)の活躍の場は広がっている

前述のように、OTが求められる分野や役割、求人募集のある職場は年々広がりを見せています。そのため、具体的な将来像が決まらない場合は、病期や症例、サポート体制、患者さんとの距離感など、興味ややりがいを感じるものから転職先を考えてみても良いかもしれません。

OT養成校定員の増加により、需要と供給のバランスが心配されていますが、高齢社会ですので介護保険分野や認知症予防の分野では、需要も高まっていると言えるでしょう。

そのため、20代や30代など特に若いOTさんであれば、明確なキャリアプランはなくとも、興味を軸に就職先を選ぶのもおすすめです。

4.相談や見学もおすすめ

キャリアプランや興味で決めると言われても、職場探しに苦労する方は非常に多いです。そうした場合は、一人で考え込むのではなく、友人や転職エージェントに相談することもスムーズな転職先選びに有効だと言えます。

また、興味のある施設に見学に行くなどして、職場の雰囲気や環境を知り、働いている人の話を聞くことで自分が働いているところをイメージしてみるのも良いでしょう。

5.まとめ

今回は作業療法士(OT)の就職先と仕事についてと、キャリアプランや領域・病期などで考える働き方について紹介しました。

活躍の場の広がりや有資格者の増加によって、施設や領域ごとに専門性や強みを持ったOTが必要とされる時代となってきています。

理想のOTや興味・やりがいを感じられる領域でキャリアを積み上げていくことで、そういったニーズにも応えられるような療法士になっていけるのではないでしょうか。この記事が今後のキャリアプランや転職について考えるきっかけになれば幸いです。

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