履歴書は、学歴・職歴に加え、自身の人柄や特長、応募理由や応募先で活躍する意欲を採用担当者に伝える書類です。

基本的な書き方は一般職種と同様ですが、言語聴覚士(ST)は職務内容や求められるスキルが応募先によって大きく異なりますので、事前にしっかりと情報を得ることが肝心です。

この記事では、STさんが履歴書を書く際のポイントを、具体例を挙げて分かりやすく解説していきます。

1.言語聴覚士(ST)が履歴書を作成する3つのコツ

まずは、履歴書を作成する際に大切な3つのポイントをご紹介します。

志望動機に徹底的にこだわる

履歴書は、フォーマットに必要情報を記入して作成するため、自分自身の言葉でアピールできるポイントは限られています。志望動機欄は、その数少ないアピール箇所の一つであり、履歴書の中で最も自由度が高く採用担当者も注目する内容です。

そのため、職場環境によって異なる職務内容やリハビリ対象者を踏まえて作成する必要があり、応募先の事前調査が大切になります。後ほど詳しくご紹介しますね。

趣味・特技は他と差がつくポイント

志望動機は力を入れやすい場所でもあるので、工夫を凝らして書く方が多い一方で、趣味・特技をないがしろにしてしまう方は少なくありません。

実はこの部分も、自分の人となりや転職先で活躍できる能力をアピールできる貴重な欄ですので、ライバルに差をつけることができます。こちらも、後ほど詳しく見ていきましょう。

資格は全て記載する

仕事に関係する資格に絞る方法もあるのですが、PTOT人材バンクでは持っている資格を全て記載することをおすすめしています。

一見関係なさそうな資格が好印象になることもあり、勉強を頑張る姿勢を評価する方もいるため、取得に向けて勉強しているものもあれば、取得前だとしても書いておくとよいでしょう。

2.志望動機の書き方と具体例

次に、書き方のポイントを具体例と共にみていきましょう。

言語聴覚士(ST)の志望動機のポイント

志望動機は、150文字~250文字(4~5行程度)を目安に、簡潔にまとめます。丁寧な文章を心がけ、敬語で書きましょう。

自分自身の経験やスキルについては職務経歴書でアピールできますので、ここでは、なぜ応募したいか、応募先のどこに魅力を感じたのかを具体的に書くことが重要です。

「貴院の理念に深く共感したため志望しました」などの具体性に欠ける志望動機や定型文は避け、今までの経験や自身のスキルと応募先の特長を絡めた具体的な動機を書くことになりますが、前職のネガティブな内容や愚痴のような表現を避けるようにしましょう。

NG1人職場で周囲から職務内容の理解が得られなかった
⇒ネガティブな印象を受ける
OK多くのSTが在籍する貴院で更に専門性を高めたい
⇒意味合いはNG例と似ているが前向きな印象を受ける

また、応募先に対して上から意見するような言い回しにも注意が必要です。あくまで、応募先の風土や業務内容が、自身の能力や希望と相性が良いと感じてもらえることを意識してみてください。

NG リハビリ専門医が在籍しない貴院で、リハビリ科の中心的な役割を担いたい
⇒応募先の体制を批判している印象を受ける
OK多数の診療科でリハビリを支えている貴院で、連携の主軸として活躍したい
⇒内容はNG例と同じだが、批判ではなく主体性を感じる

同じ業態であっても応募先により求められる職務内容は異なります。まずは、応募先の求人情報やホームページなどを確認し、自身の希望と事業所の特徴が合致する部分を探しましょう。不安な場合は、転職エージェントなどに相談してみるのもいいかもしれません。

志望動機の具体例

それでは、応募先別に具体例を3つ用意しましたので実際に見ていきましょう。

総合病院の場合

言語聴覚士として回復期リハビリテーション病院で勤務する中で、急性期からの適切な介入が患者様とご家族の心身の回復に大きくかかわると感じてきました。

高度急性期医療を行いながらリハビリ専門医が在籍し、チーム医療を実践されている貴院にて、この地域のリハビリを急性期から支えていきたいと思い応募させていただきました。

患者様の予後を見据える視点で今までの経験を生かしていきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

訪問リハビリ事業所の場合

新卒から6年間、総合病院で言語聴覚士として勤務してきましたが、患者様が回復する過程を支援できた一方で、肺炎や再発などで再入院される方も多く、もっと患者様の生活に即した指導の必要性を強く感じています。

患者様・ご家族様が在宅で安心して暮らせるよう、多職種協働で幅広い視点をもって患者様のリハビリ・ケアを行っていらっしゃる貴所で、家族関係や家屋環境など生活環境を考慮したチーム支援を行っていきたいと切望し応募させていただきました。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

小児療育施設の場合

一般病院に勤務し、成人・小児など幅広く担当し経験を積む中で、言語聴覚士を志したきっかけでもあるお子さんをもっと全人的に支援したいと強く感じるようになりました。

この度、貴所の「子どもの個性を最大限伸ばし、社会にも適応できる支援を行う」という理念や、様々な職種が連携して心身ともに発達を促す体制にとても魅力を感じ、応募させていただきました。

療育は未経験の分野ではありますが、今まで学んだ個別支援と多職種連携の経験を活かし、子どもに寄り添った支援をしていく所存です。よろしくお願い申し上げます。

3.趣味・特技の書き方と例

ここからは、趣味・特技の書き方を解説していきます。

趣味・特技の書き方

特別な書き方のルールはありませんが、箇条書きにして具体的な内容を補足すると分かりやすくまとまります。アピールポイントではありますが、多すぎると印象が薄くなってしまいますので、応募先の特長に合わせた内容に絞り込みます。

特に、人柄や長所をアピールできるもの、仕事で活用できるもの、今までの経験やスキルに関連するものを選ぶと効果的です。

趣味・特技の具体例(老人保健施設の場合)

趣味:カラオケ
学生時代には友人とバンドを組んで、毎年学園祭のステージを盛り上げました。
特技:パソコンスキル
Word、Excel、Power pointを使用し、見やすい書類や資料をすばやく作成できます。

趣味の解説
歌などで場を盛り上げられる人材だとアピールできます。老人保健施設ではレクもありますし、病院でも行事やグループ訓練を行う施設も多いので評価されるポイントになりそうです。

特技の解説
PCスキルは社会人にとって重要スキルです。特に言語聴覚士(ST)は、教材作成や会話ノート、嚥下姿勢など、教材や掲示物を作ることが多いので、アピールできると良いでしょう。

他にも、「読書」であれば勉強熱心さを、「サッカー」などスポーツであればチームワークや体力を伝えられます。また、「英語」であれば論文抄読スキルなどをアピールできそうです。

4.履歴書作成でよくある疑問

最後に、一般的に疑問となりやすい点について解説します。

日付は面接当日に

履歴書の日付は、その履歴書を「応募先に提出する日」を記入します。つまり、持参するのであれば、面接日当日の日付を記入し、郵送であれば「郵便局に持ち込む日」「ポストに投函する日」でOKです。

日付に関するその他の注意点は、履歴書全体で西暦か元号(平成・昭和など)表記かを統一すること、他の提出書類(職務経歴書など)と同じ日付にすることなどが挙げられます。

印鑑は朱肉を使うものに

シャチハタなどインスタントの印鑑は使用せず、朱肉を使用してかすれないようまっすぐ捺印しましょう。

最初に押印してから履歴書を作成するようにすると、書き直しを防ぐことができます。

職歴は正式名称を

○○病院ではなく××法人○○病院といった形で、学校名や病院名などは簡略化した一般名称ではなく、必ず正式名称を記入します。

また、STではなく言語聴覚士など、資格も同様ですので注意しましょう。

5.まとめ

ここまで、言語聴覚士(ST)が履歴書を書く際のポイントと注意点について解説しました。

履歴書は職務経歴書とは少し異なり、‘ST’としての自分のみでなく、‘一個人’としての自分の希望や能力が応募先の特長と合致しているかを伝える書類です。

志望動機に加え、趣味や特技についても面接で話題となりやすいので、是非この記事を参考にポイントを押さえた履歴書を作成してみてください。

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