言語聴覚士(ST)として働くにあたり、実際に得られる収入や将来の年収が気になる方も多いと思います。

今回は厚生労働省の賃金構造基本統計調査を元に、STの初任給の最新データと将来的に収入を高めていく方法をご紹介します。

働き始めて間もない方やこれから就職先を探す方は特に気になる部分だと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

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1.言語聴覚士(ST)の初任給は約25万円

令和6年の賃金構造基本統計調査によると、STの平均的な初任給は25万400円、賞与は3万6000円であり、約304万800円です。

施設によっては保有資格で職務手当が異なる場合もありますが、ST・PT・OTの給与は同じ場合が多いため、STの初任給の目安にはなるでしょう。

実際には、これに別途残業代を加算した額が支給されます。STの場合、言語・心理査結果のまとめや教材作成など臨床外の業務も多いですが、どこまでを残業として扱うかは施設によって異なるのが実情です。

初任給24万3500円
賞与・ボーナス61万8300円
初年度の年収 ※残業代抜き約304万800円
(出典:令和6年賃金構造基本統計調査報告 一般労働者 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)表番号14 | 厚生労働省「経験0年」「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」の給料を参考)

2.医療介護業界の他の職種と比べた時の初任給

先ほどのデータによると、医療介護業界の他職種の初任給は、医師・薬剤師などには及びませんが、保育士や介護職員、その他の社会福祉専門職などよりは高い傾向にあります。

また、STの初任給は臨床検査技師や栄養士などのコメディカル職種の中では平均的な給与・賞与水準と言えそうです。

一方で、ST以外のコメディカル職種は夜勤手当があるため、実際の支給額には差があり、新卒で総合病院に就職した私からすると、リハビリ部門の給与が低く感じることが多くありました。

職種別の平均初任給

職種初任給
医師約41万9500円
薬剤師約32万7800円
保健師約29万5500円
助産師約27万5800円
看護師約26万9800円
理学療法士,作業療法士,言語聴覚士視能訓練士約25万400円
診療放射線技師約28万5700円
臨床検査技師約25万7300円
歯科衛生士約25万4500円
栄養士約23万7900円
その他の保健医療従事者約20万9900円
保育士22万9700円
訪問介護従事者23万100円
介護支援専門員(ケアマネージャー)約24万7000円
その他の社会福祉専門職業従事者約23万9900円
(出典:令和6年賃金構造基本統計調査報告 一般労働者 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)表番号14 | 厚生労働省 各職種「経験0年」の「所定内給与額」、「年間賞与その他特別給与額」を参照)

3.新人言語聴覚士(ST)が収入を高めていく方法

次に、言語聴覚士(ST)が将来的に収入を高めていくための具体的な方法をみていきましょう。

勤続年数を積み重ねる

まずは、就職した職場で腰を落ち着けて働きましょう。勤続年数が長いほど基本給が高くなるため、少しずつ年収が増えていきます。

また、長く勤めると役職に就くチャンスも出てきますので、基本給に加えて役職手当を得られる可能性があります。

ただし、リハビリ科の科長などのポストには、在籍スタッフ数が多い理学療法士や作業療法士が就くケースが多く、今のところSTがリハビリ科のトップになることは少ない傾向にあります。

スキルアップする

一通りのST業務ができるようになったら、スキルアップを試みましょう。自分の関心のある分野や必要なスキルについて学んだり、認定言語聴覚士や栄養サポートチーム専門療法士などの資格を取得するのも良い方法です。

ただ残念なことに、熱心に勉強して資格を取得したとしても、すぐに大きな昇給に結びつくわけではありません。転職の引き合いや講師依頼の可能性を高めるなど、将来的な収入を増やすきっかけに繋がります。

副業(アルバイト)をする

体力を消耗し本業に差し支えてはいけませんが、副業によってスキルアップと収入アップの両方を実現できます。

例えば、回復期病院で働いていると患者さんの在宅での様子や生活期のことをもっと知りたくなります。その際には、訪問リハビリやデイサービス、障がい者福祉センターなどで月に数日働いてみるのはどうでしょうか。

副業可能かどうか、事前に勤務先の規定を確認することが肝心です。

転職する

勤務先の給与体系に満足できない場合には、転職を検討しましょう。

例えば、県立病院や市の発達センターなどの公的機関が働では、公務員の給与体系になるため、一般病院に比べて収入が多くなる場合が多いです。また、訪問リハビリでは経験を積んだSTを求める背景もあり、給与が高い傾向にあります。

他には、求人数は多くないものの補聴器や嚥下食を取り扱う一般企業などへの異業種へ転向する道もあります。

給与や手当、昇給のシステムなどは自分だけでは情報を得られにくいので、転職エージェントの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

どのエージェントを利用するか迷ったら、まずはPTOT人材バンクに遠慮なくご相談ください。
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4.まとめ

ここまで、言語聴覚士(ST)の初任給と収入を高める方法について見てきました。STの給与はコメディカルの平均的な額であり、収入を増やすためには勤続年数の積み重ねやスキルを高めることが必要で、場合によっては転職を検討する必要があることが分かりました。

今回は収入に焦点を当てましたが、忘れてはならないのは職場の価値は給与だけでは判断できないということです。人間関係が良い、今後の発展性を感じるなど、給与に代えがたい職場の魅力にもしっかりと目を向けて、満足度の高いキャリアを築いていきましょう。

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