理学療法士(PT)を目指している学生にとって、学生生活で最も重要な1日と言える国家試験受験日。

受験日には、既に就職先が決まっている人がほとんどなので、本人だけでなく就職先の先輩PTもハラハラしながら試験当日を迎えることがあります。

そんな理学療法士国家試験ですが、実際にはどのような試験が行われているのか気になりますよね。

今回は、PTを目指している人へ理学療法士国家試験の受験方法や試験内容について分かりやすく紹介していきます。

1.2023年の国家試験の日程と今年の合格率

理学療法士国家試験は、1年に1回実施されます。

毎年9月頃に厚生労働省より試験の概要が発表され、12月中旬から1月上旬に願書提出、2月中旬に試験実施、3月下旬に合格発表という流れです。

それでは、2023年の国家試験日程と合格率について見ていきましょう。

2023年は2月19日が試験日

2023年の第58回理学療法士国家試験は、2023年(令和5年)2月19日(日)・20日(月)実施となりました。

筆記試験の開催地は、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県、沖縄県、口述試験及び実技試験は東京都で開催されました。

試験期間が2日間になっていますが、20日(月)は重度視覚障害を持つ受験者用の口述試験及び実技試験実施日のため、該当しない場合は19日(日)のみが受験日となります。

2023年は合格率87.4%

気になる合格率ですが、今年度実施された第58回理学療法士国家試験(2023年2月実施)の合格率は87.4%でした。

過去5年間の試験結果では、2019年の第54回は85.8%という合格率で、2020年も80%台中盤を保っていましたが、2021年に実施された第56回では80%を割る合格率となっており、2021年は例年よりも試験難易度が高かった様子がうかがえます。

2.理学療法士(PT)の国家試験の内容と勉強方法

PTの国家試験で出題される試験内容と、おすすめの勉強方法をご紹介していきます!

国家試験の試験内容は

理学療法士国家試験は、一般問題及び実地問題に区分して出題されます。

具体的な主題科目は、一般問題で「解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)、臨床医学大要(人間発達学を含む)及び理学療法」、実地問題は「運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む)及び理学療法」という幅広い分野が出題されるため、豊富な知識が必要となります。

試験日は午前・午後に各20問、合計40問の実地問題と午前・午後の各80問、合計160問の一般問題が出題されます。

合格基準は採点除外により毎年わずかに変動があります。2023年開催の第58回では、実地問題は1問3点の120点満点、一般問題は1問1点の158点満点となり、総得点は278点満点。合計点が167点以上かつ実地問題の得点43点以上が合格ラインとなりました。

マークシート式で5つの選択肢の中から1つ又は2つの正解を選択する試験方式で、午前と午後に100問ずつを2時間40分かけて解答していくため、かなりの長丁場となります。

1問1問が専門性の高い問題になりますが、1問毎に時間を多くかけることができないため、問題毎への時間配分も重要です。

国家試験の勉強方法は

国家試験の勉強方法は、人によって適している方法が異なります。

過去問をひたすら解く方が頭に入りやすい人もいれば、ノートにまとめていくことが整理しやすいという人もいますので、自分に合った勉強方法を早めに見つけましょう。

ポイントとしては、試験範囲がとても広いため、どの勉強方法においても、得意分野と苦手分野を把握して勉強時間を配分することです。

国家試験を受験するまでに卒業試験などの学科内の試験を数多く実施している養成校が多くあるため、学科内の試験で得意分野と苦手分野を洗い出し、勉強時間を振り分けて学習していくと効率的でしょう。

学科内での試験や模試を受ける機会が少ない場合は、過去問を解いて判断することも可能です。

私の場合は、過去問を解いて間違えた部分や勘で答えた問題について、教科書や参考書をチェックして復習していくスタイルで勉強を進めていました。

重要なところや出題されていたところにラインを引くのですが、過去問の年代毎に色分けしておくと毎年出題されている分野や近年の出題が増えている箇所などが分かりやすくなるのでオススメです。

勉強する時間も限られているので、やみくもに勉強するよりも過去に出題された問題を中心に、毎年出題されている分野など優先順位の高いものから取り掛かるようにしましょう。

また、一般問題と実地問題のどちらかに重点を置いて勉強をしようとする人もいますが、どちらも重要ですので一方に絞るのは大変危険です。

どうしても時間がない場合は、両方に重なる分野の理解を深めることに重点を置き、両方の問題に対応できる力をつけましょう。

3.理学療法士(PT)が国家試験を受けるための手続き

理学療法士国家試験を受験するためには、定められた書類を準備し、期日までに特定の場所へ郵送又は直接提出する必要があります。

受験手続きに際し必要なものは以下のとおりです。

・受験願書 

理学療法士及び作業療法士法施行規則様式第5号という専用の書類を用意します。理学療法士国家試験運営本部事務所や臨時事務所から取り寄せるのが一般的です。

弱視用試験や点字試験、読み上げ又は点字試験と読み上げを希望する場合は、受験願書の右上に該当する希望を朱書きするなど細かな決まりもあるので注意しましょう。

・写真及び写真台紙

出願前6か月以内に脱帽正面で撮影した写真を使用します。縦6センチメートル、横4センチメートルで裏面に撮影年月日と氏名を記載し、理学療法士国家試験運営本部事務所もしくは臨時事務所が交付する受験写真用台紙に貼り付けて提出をします。

また写真については、写真の人物が受験者本人と相違がないかを確認するため、養成施設もしくは上記運営事務所で本人確認を受ける必要があります。

・返信用封筒

規定の大きさの封筒を用意します。

・修業証明書や卒業証明書、見込証明書

理学療法士国家試験を受験するには、養成施設で3年以上理学療法士として必要な知識と技能を習得した証明が必要になります。

そのため養成施設を卒業又は2024年(令和6年)3月15日(金)までに修行し卒業する見込みであることを証明する修行証明書もしくは修行見込証明書、卒業証明書もしくは卒業見込証明書の提出が必要です。

外国で理学療法に相当する免許を取得している人などは必要書類が異なるので、ホームページで確認するようにしましょう。

・受験手数料(収入印紙)

受験手数料10,100円に相当する収入印紙を受験願書に貼ることにより納付します。

4.まとめ

2023年の国家試験合格発表は2023年(令和5年)3月23日(木)でした。

来年以降に受験される方は、就職先へ笑顔で結果報告ができるように、最後まで諦めず頑張ってください!

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【参照サイト】
理学療法士国家試験の施行