年々、理学療法士(PT)の働き方は多様化していますが、「多すぎて就職先が選べない」「臨床以外でも活躍できる場所を知りたい」という方は少なくありません。

たしかに、多様化しているといっても医療施設や福祉施設の印象は強く、その他の就職先はイメージが湧きにくいですよね。

そこで今回は、PTの活躍が期待されている様々な分野の施設形態をご紹介していきます。

臨床以外の仕事に興味がある人はもちろん、臨床での就職を考えている人も他の選択肢を知っていることは将来的に役立つことがあるかもしれませんので、PTOT人材バンクの転職情報を合わせて、ぜひ参考にしてみてください。

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1.理学療法士(PT)の就職先は豊富

まずは、PTの就職先や求められる職場が広がっている理由について見ていきましょう。

PTの就職先一覧

病院やクリニックなどの医療施設や、高齢者福祉施設などが多い傾向ですが、近年では訪問リハビリテーションなどもメジャーな就職先になっています。また、スポーツ施設などにも広がっています。

PTの就職先について、施設や業界とともに業務内容を具体的に紹介していきます。

医療施設

日本のPTの大半が病院やクリニックなどの医療施設で働いているといわれています。日本理学療法士協会に登録している会員の2021年3月時点の分布を確認すると、働いている会員の81.3%(84,618人)が医療施設で働いていることが分かります。

ここでは、急性期から生活期の患者様に対して病期や症状に合わせたリハビリテーションを実施します。

福祉施設

先ほどの日本理学療法士協会のデータによると、福祉施設で働く方は医療施設の次に多く、65歳以上の要介護認定されている人が入所する介護老人保健施設をはじめ、老人訪問看護ステーションや老人デイサービスなど障がいを持つ高齢者を対象にした施設が就職先として多い傾向です。

その他にも、身体障害者福祉施設や子どもを対象にした児童福祉施設などの発達支援をする施設で活躍するPTは増えています。

地域包括支援センター

少子高齢化に伴い、市町村を主体とし地域に根付いた効率的・効果的な医療介護サービスを提供するために設置されている地域包括支援センターも就職先として増えてきています。

ここでは、歩行及び移動能力の維持向上を目指した支援を行い、高齢者の自立した生活活動の維持を行うなどの役割が期待されています。

教育・研究施設

PTへのニーズの高まりとともに養成校が拡充され、それに伴い教員として勤務する方も増えてきています。

近年では、臨床実習指導者としての認定試験が誕生しており、臨床と並行して実習生の指導に力を入れている方も少なくありません。

スポーツ業界

スポーツによる外傷に対して、運動療法や物理療法などのスポーツリハビリを行う仕事に従事することも可能です。

スポーツ選手の故障予防や故障後の競技復帰に向けての身体づくりの支援などがPTに求められ、プロスポーツチームのトレーナーや、ナショナルチームに帯同するなど、スポーツ業界の最前線で活躍している方もいます。

様々な分野で活躍を期待される

近年は少子高齢化が進み、医療及び介護分野において更なる負担がかかることが予想されています。

病後のリハビリテーションだけでなく、健康な状態で年を重ねていくことを重視した予防的側面への対応が求められていることから、医療施設や介護施設だけでなく、地域包括支援センターなど地域に根付いた活躍が期待されています。

また、教育や発達支援、スポーツ業界など様々な分野でPTが活躍しており、今後も活動の幅を広げていくことが予想されます。

実際に日本理学療法士協会でも平成25年より12の分科会と10の部門が設立されており、PTが幅広い分野で活躍できる基礎があることが分かります。

2.キャリアプランも多様化

勤務先が広がったことで、理学療法士(PT)に求められる力は細分化し、キャリアプランも幅広くなっています。ここからは、キャリアについて掘り下げてみていきましょう。

施設によって求められる力は違う

働き方が多様化しているということは、より専門的な能力が求められているともいえます。これは、病期や症例によってアプローチ方法を変えるという話だけではありません。

例えば、急性期であれば高いリスク管理能力が必要になるほか、感染症対策チームや栄養サポートチーム、呼吸ケアチームなどチーム医療の一員としての役割も求められます。生活期や地域医療にもそうした側面はありますが、緊急性の高い事案を抱えるための高い判断能力も必要になります。

一方で、回復期病院や福祉施設においては、自宅での過ごし方など個人の生活の深い部分まで介入することが増えるため、住環境や福祉用具についての知識や地域の介護サービスについての知識が必要であり、地域のケアマネジャーやヘルパーとの連携も求められます。

他にも、教育機関では学生の力を伸ばす指導方法を身に着けなければならず、臨床とは全く異なる経験が必要になるでしょう。

このように施設によって求められる能力は大きく変わってくるため、自分のやりたい仕事と必要なスキルを確かめて就職先を見つけていくことも大切です。

PT×他資格で更に広がる可能性

理学療法士以外の資格を取得し、差別化を図る方も多くいます。ここでは、実際にどのような資格を取ることができるのか確認していきましょう。

専門性を高める手段としての資格

日本理学療法士協会が認定している「認定理学療法士」や「専門理学療法士」という資格があります。どちらも自身の専門性を高めるために臨床的技術や知識の維持・向上だけでなく理学療法の発展に貢献できる研究能力を高めることを目的に設置された資格です。

取得者が少なく難易度の高い資格ではありますが、専門的な能力を取得できるため臨床の場でも豊富な知識を役立てることが期待できます。

その他にも、呼吸療法認定士や心臓リハビリテーション指導士、日本糖尿業療養指導士など専門性の高い資格を保有し専門分野で活躍しているPTは多くいます。

領域を広げるための資格

近年、医療福祉分野ともにチーム医療が重視され、全国的に広がりを見せている栄養サポートチーム(NST)で活躍する栄養サポートチーム認定士の資格を取得する方もいます。

栄養管理については、言語聴覚士(ST)が介入する機会も多い分野ですが、PTとしての知識を活かして低栄養状態におかれた患者様のQOL(生活の質)の維持向上や、合併症の予防へアプローチすることが可能です。

また、介護領域では認知症ケアの専門性を高めることを目的にした認知症ケア専門士、福祉領域では高齢者や障がい者が安心して快適に暮らせる住環境を提案する福祉住環境コーディネーター、予防分野では健康運動指導士も役立つ資格の1つです。

PTだけでは開業できないため、他資格もとって開業

PTは理学療法士法にて「医師の指示の下に、理学療法を行うことを業とする者」と定義されており、医師の指示なしで理学療法を行うことはできません。つまり、一人で開業して理学療法を提供することができないルールになっています。

それでも一人で開業したい場合は、開業権のある資格を取って開業をするという方法があり、徒手療法や物理療法などで施術を行う柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師、鍼灸と物理療法の知識を活かす鍼灸師などが有名です。

ただ、開業しても理学療法を提供できるわけではなく、培った知識や経験を活かして開業時に使用した資格の範囲内で施術を行う必要があります。

3.ポジティブな転職になることが大切

就職先を選ぶ際に、明確なキャリアプランや目標がある人をみると焦ってしまいますよね。

もちろんキャリアプランや目標が明確にあることは理想ではありますが、実際にはなくても問題ありません。最後に転職時の考え方について一例をご紹介します。

やりがいを感じられる仕事を見つける

まず一番大切なことは、その仕事にやりがいを感じられるかということです。

理学療法士(PT)の仕事は常に知識を更新していき、技術を高めていくことが必要になります。いくら立派なキャリアプランや目標があったとしても、モチベーションが伴っていなければそれらの向上は難しいでしょう。

やりたいと思える、やりがいを感じられる仕事を見つけることが、モチベーションを保つポイントです。高いモチベーションで、やり遂げた仕事の達成感は、更なる成長につながります。

明確な目標がない場合でも、やりたい仕事を見つけ、その後にキャリアプランを作っていく形でも問題がないので、安心してください。

エージェントに相談するのも手

自分が何をやりたいのか漠然としていて分からないという人も多いと思います。そういう時には、転職エージェントに相談するのも選択肢の一つです。

転職エージェントは様々な求人情報を扱っているので、キャリアについても広い視野でアドバイスをしてくれます。

エージェントへの相談において、自分の望みや想いを表出することは客観的に自分をみるきっかけにもなるので迷っている人や早く動き出したい人は一度相談してみてはいかがでしょうか。

PTOT人材バンクでも、この業界に特化したキャリアパートナーが全力でサポートしていますので、お気軽にお問い合わせください。

4.まとめ

近年、理学療法士(PT)の数は増加傾向にあり、一時期は飽和状態ともいわれていますが、実際には活躍の場は拡大し就職先は未だに充実しています。

今後も幅広い分野での活躍が期待できるため、改めて自分の希望を整理して、固定概念に縛られず活躍の場を探してみてはいかがでしょうか。

視野を広げてみても、やはり臨床が良いとなってしまうと他の分野を検討した時間が無駄に思えるかもしれませんが、改めて自分の思いを確認することは今後の仕事にも良い影響を与えるでしょう。

この記事や転職エージェントなどを上手く活用してあなたにあった就職先を見つけてください。

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【参照サイト】
統計情報 – 公益社団法人 日本理学療法士協会
学会について – 日本理学療法士学会