OTの仕事内容については、文献やネットで詳しく知る機会があるかと思います。しかし、実際にOTが休日にどのように過ごしているかという点についてはあまり知られていないかと思います。

ここでは、平日はもちろん休日も含め、私や私の知人の体験談に基づく、OTの1日の過ごし方についてご紹介したいと思います。

現役OTがどんな生活を送っているのか、イメージする参考にしてみてください。

1.作業療法士(OT)の1日

まずは、おおまかな OTとしての1日の過ごし方について触れていきたいと思います。

勤務時間帯は9:00から17:00の間の職場が多いですが、勤務先によっては事前にミーティングをするなど少し早めの出勤を推奨する場合もあります。

中には、放課後等デイサービスなどでは児童の学校の時間に合わせて10:00〜19:00の勤務であったり、回復期リハビリテーション病院などで早番制度があれば7:00から勤務があったりと、職場によって1日の始まりは異なります。

また、平日だけでなく休日も自らがどの施設に勤めるかで、生活スタイルが変わってきます。

一般的な土日休みの職場がある一方で、土曜日がある病院では日曜日と平日のどこか1日で休みが取れたり、365日リハビリを行う回復期リハビリテーション病院などでは平日に2日休みが取れたりと、職場によって違いがあります。

私は新卒から2年間、回復期リハビリテーション病棟に配属になりました。当時独身でしたので、平日に休みが取れることから、空いている時間帯にショッピングや映画を楽しみ、休みを満喫できました。

特にOT1年目は緊張感から疲労が溜まりやすかったので、5日働き2日休むよりも、2〜3日働いて1日休む方が、体の疲れが残らず、自分には合っていました。その反面、家庭があり、幼稚園や学校に通うお子さんがいる方は、家族に合わせて土日休みの方が合っているかもしれませんね。

ライフスタイルに合った職場選びは、充実したOTライフを送るための重要な要素といっても過言ではありません。

2.作業療法士(OT)の平日と仕事内容

それでは、一般的な9時から17時までを勤務時間とする病院での働き方について、実体験を元にご紹介します。

7時00分頃:起床

私は、朝の支度に1時間、通勤時間に30分、職場で制服に着替える時間を10分と想定し、7時ごろに起きていました。

朝の支度に余裕を持つことで、頭も体もゆっくりとOFFモードからONモードにスイッチを切り替えられました。特にOTは体力がいる仕事でもあるので、朝ご飯はしっかり食べることを毎日欠かしませんでした。

また、通勤時間が往復で1時間以内になることを重視し、プライベートの時間を確保していました。ただ、あまりにも職場が近所すぎると患者さんとプライベートでばったり会ってしまうこともあるので、片道20分くらいがちょうどよい距離かもしれません。

8時45分頃:出勤

患者さんが9時から来院するので、その10分前にリハビリ科内で朝ミーティングを行います。内容は、その日の勉強会などを含んだ院内の予定や勤務者の確認などの簡単なものです。

9時から17時までリハビリ業務や事務業務、時には勉強会などを行います。新人のうちは、一つ一つの業務に時間がかかってしまい、残業してしまうことも多かったのですが、勤務年数が上がっていくにつれ、定時で帰れることも多くなりました。

18時00分頃:帰宅

帰宅したあとは、なるべく仕事スイッチをOFFにしていました。急を要する調べ物がない時は、しっかりと体を休めることで、翌日に疲れを残さないように意識していました。

個人的には、ゆっくりお風呂に浸かったり、楽しみにしていたドラマなどをみて、心をリラックスすることが健康的に過ごす秘訣です。夜更かしも控え6~7時間は睡眠時間を確保できるように、日付が変わる前には寝ることもポイントですね。

また、病院ではリハビリ科内で症例検討会や勉強会などが定期的に開かれるため、自分の番が回ってくる1~2週間前くらいから少しずつ準備をすることで、直前に焦ることなく勉強会に臨めるようにしていました。

OTの平日はこんな感じ

時間内容
7:00~8:00起床。仕事に行く支度をする。
8:30~8:45職場に到着。制服に着替える。
8:45~9:00リハビリ科内の朝ミーティング。
9:00~12:00患者さんのリハビリをする。
12:00~13:00昼食、休憩時間。
13:00~16:00患者さんのリハビリをする。
16:00~17:00リハビリ科内のミーティングをしたのち、カルテ記載などの事務作業をする。曜日によって勉強会や症例検討を実施することも。
17:00~18:00スタッフと談笑したり、残業したりしたのち、退勤する。
18:00~00:00帰宅。リラックスタイムを取り、明日の支度をして就寝。

職場で違う働き方

1日の仕事や求められる役割は、施設形態や職場によってことなります。

PTOT人材バンクでは、作業療法士(OT)の施設形態や診療科目別に業務の特徴をまとめていますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

【今ある施設形態や診療科目一覧】
病院での働き方クリニックでの働き方
精神科での働き方整形外科での働き方
脳外科での働き方循環器内科や心臓血管外科での働き方
公務員の働き方老人ホームでの働き方
介護老人保健施設(老健)での働き方デイサービスでの働き方
デイケアでの働き方訪問リハビリでの働き方
児童施設での働き方小児理学療法での働き方
廃用症候群リハビリテーションでの働き方

3.作業療法士(OT)の休日と自己研鑽

次に、OTの休日の過ごし方について、ご紹介します。

休日の使い方

週2日休みでしたので、1日はしっかりと体を休める日、もう1日は自己研鑽の日、もしくは友人と会うなどプライベートを充実させる日としていました。

私の場合は、作業療法士になって、1年~3年目くらいまでは、担当の患者さんの疾患についての知識を深めたり、リハビリ訓練を考案したりするのに、文献を購入し読み込むなど、積極的に自己研鑽の日を設けるようにしていました。

私のおすすめは医療関連書籍を幅広く扱う書店で文献を探すことで、いくつか種類のある中から、自分が知りたい情報・自分が読みやすいと感じる文献をポイントに探すようにしていました。

特に、「脳卒中」「認知症」などの各疾患のほか、「筋の触診」「感覚統合」など自らが理解を深めたいテーマなど、一つの内容を詳しく掘り下げて書かれている文献を選び、読み込んでいました。

自分に合った文献を見つけると、リハビリを行う際に煮詰まった時の参考になるのはもちろん、勉強会を行う際の資料にも使えます。私がOT1年目に買った文献は今でも活用しています。

また、月に1回程度は職場で症例検討会があったので、その原稿づくりなどにも充てていました。しっかりとメリハリをつけた休日を送ることで、仕事にも意欲的に取り組めていたと思います。

OTの休日の自己研鑽はこんな感じ

時間内容
09:00~10:00起床。朝の支度をすまし、出かける準備をする。
10:00~11:00外出。市の中心部にある、医療関連書籍を多く取り扱う書店に向かう。
11:00~13:00書店に到着。じっくりと自分に合う本を探す。気に入った文献がなければ何件か書店を回り、文献を比較し、購入を検討する。
13:00~15:00遅めのランチを食べて気分転換をし、帰宅。
16:00~19:00自宅で購入した文献を読み込んだり、症例検討の原稿づくりをしたりする。
19:00~22:00夕食を食べたり、明日の準備などをしたりして就寝

4.作業療法士(OT)の仕事の魅力

OTの日々の過ごし方についていろいろと説明してきました。これからOTを目指す方に向け、最後に、良いところと大変なところを踏まえたOTの魅力をご紹介していきます。

患者さんからの「ありがとう」の言葉が何よりも嬉しい

作業療法士の良いところは、患者さんの身体機能や日常生活動作が改善した際に喜びを分かち合えること、「ありがとう」の言葉をいただけることです。

病気になり障害が残るということは、患者さん本人はもちろんご家族もとてもショックなことです。障害受容はそう容易いものではなく、患者さんの心の葛藤に寄り添うことは大変で時に悩むこともあるかもしれません。

OTとして患者さんの気持ちを受け止めながら、リハビリを通し機能の回復を図ることは、とても大変なことです。時には、患者さんが望む目標まで到達しないこともあり、中にはOTに強く当たってしまう方もいらっしゃいます。

その分、患者さんと信頼関係を築くことができた時には、とても嬉しさややりがいを感じられますし、自らを人として大きく成長させてくれます。

私は、患者さんから感謝の言葉をいただいた時には、「OTの仕事をしていてよかった」と、心から感じられますし、それを原動力に今もOTを続けています。

リハビリの知識が自分の健康維持にも活用できる

OTの仕事を通して人体の知識や疾患の知識を得ることで、自身の健康意識が高まります。

患者さんに提案するストレッチ方法などは自分の健康維持にも活用でき、肩こりがある家族にマッサージをすることで、とても喜んでもらえますし、自らの技術もうまくなり一石二鳥、なんてこともあります。

OTは常に自己研鑽をしていく姿勢が大切

OTの大変なところは、「医療は常に勉強が必要だ」ということです。特に1年目から3年目にかけては覚えることがとてもあり、時に残業が増えることや寝不足になることもあるかもしれません。

しかし、わからないと思ったことを調べて知識を深め、実際に臨床に活かし、OTとしての基礎を積み上げていくことで、OTの仕事の面白さ、やりがいを感じられるようになっていきます。

リハビリは理学療法士や言語聴覚士、看護師、医師など、チームアプローチが大切です。自分一人で頑張るだけでなく、同僚や周囲の先輩、上司にアドバイスをもらいながら、一歩一歩積み上げていくことで、大変さはやりがいや楽しさに変わっていきますよ。

5.まとめ

実際の作業療法士(OT)の生活を知り、就職後のイメージはついたでしょうか。OTの仕事は大変な面もありますが、とてもやりがいのある仕事で、自らを成長させてくれます。

人と関わることが好きな方や、人の役に立ちたい方、一つのことを着実に積み上げプロフェッショナルを目指したい方にぴったりの職業です。

この記事を読んだOTを志す学生さんやOTに興味がある学生さんの、勉強や就職活動へのモチベーションアップにつながればうれしく思います。

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