転職活動をするとき、給与や賞与は気になりますよね。収入が増やせることで、仕事のモチベーションにも大きく影響します。

さらに、結婚や出産などライフステージが変わることを想定すると、現在の給与だけでなく将来的にどの程度収入が増えていくのかということも、重要なポイントとなります。

この記事では、OTの昇給を含めた給与や賞与について詳しく説明していきます。

1.作業療法士(OT)の昇給平均

はじめに、OTの平均的な昇給についてみていきましょう。

年齢や経験年数で考える昇給

病院や施設によって、昇給の金額や上り幅は異なりますが、基本的には勤続年数に合わせて上がっていきます。昇給は年1回がほとんどであり、年度が替わるタイミングで行われることが多いです。

OTの業界では基本給は実年齢よりも経験年数が重視される傾向にあります。初任給の額が多いに越したことはありませんが、昇給額がいくらか知ることで、将来的な給与が高くなるのか、あまり変わらないのかを把握することができます。

また、新卒者の場合、大学卒業か専門学校卒業かで基本給の金額が異なる場合もあり、大学出身者の方が、わずかに高くなる傾向にあります。

専門学校と大学では卒業までにかかる年数も費用も異なるので、一概にどちらがいいとは断言できませんが、将来的な収入の差を見据えて、大学を選択する方も増えてきています。

ちなみに、ここでいう大卒とは大学で作業療法学部のような学部を卒業した方を指しており、普通の大卒⇒OTの専門卒というケースでは、専門卒となることが多いです。

昇給により基本給が上がれば、賞与にも影響する

OTの場合、基本給に資格手当や役職手当などがプラスされた額が給与として支給されます。昇給は、『基本給にプラス〇〇円』と増えることが多く、資格手当は固定のままが多いです。

賞与は基本給の○カ月分として計算されることが多く、資格手当などがプラスされる前の金額から算出されますので、賞与の面で考えても昇給は重要と言えるでしょう。

また、たとえ初任給が少なめでも、昇給額が大きければ、勤続することで結果的に収入アップにつながります。転職活動では、つい給与額に目を向けてしまいがちですが、昇給額についても確認しておくといいでしょう。

公務員の昇給相場

民間の医療機関や介護施設の給料体系は、転職活動時の求人票からしか情報を得られませんが、公務員の給料体系・昇給ルールは公開されており、OTは医療職2に分類されています。

民間企業での毎年行われる昇給は「号」、役職が上がることによる昇進は「級」とされています。
東京都を例にすると、勤続年数が1年増えるごとに1「号」増え、給料が1ヶ月当たり1,100~1,600円、年間13,200~19,200円増加するシステムになっています。

立場や役職が1つ上がると1「級」増え、基本給が2~6万円ほど高くなります。着実に「号」を増やしながらキャリアを伸ばし、昇進により「級」を上げることで、確実に収入アップが望めます。

2.作業療法士(OT)が昇給する方法

ここからは、OTが昇給する方法をみていきましょう。

勤続年数を伸ばし昇給をすることで、給与は増えていく

給与を増やす基本的な方法は、職場での勤続年数を伸ばして、昇給回数を増やすことです。勤続年数が長ければ、少しずつ基本給が上がり、それに比例して月々の給与や賞与の額が増えていきます。

また、転職により同一職場での勤続年数は短い方でも、基本給は経験年数を考慮して設定されることが多いので、OTとしてのキャリアを伸ばしていくことも給与を増やすことに直結します。

さらには、昇給を繰り返していく中で、昇進して役職者になることも給与を増やす方法の一つです。基本給や資格手当に加えて、役職手当がつくことで、収入アップにつながります。

昇給額の大きい職場に転職するのも一つの手

昇給額が低い職場であれば、思い切って昇給額が大きい職場に転職を検討してみてもいいかもしれません。

転職活動の際、求人票を見ると、まず月々の給与の支給額に注目してしまいがちですが、昇給する額がいくらなのか、賞与が基本給の何か月分なのかも確認することが大切です。一見、月々の給与が多いように見えても、昇給額が低ければ、結果的に勤続年数が伸びてもあまり給料が上がらない…なんてこともあり得ます。

定期的に昇給がある職場、そして昇給額が大きい職場を見つけるポイントは、職場の経営母体の規模が小さすぎず、施設の沿革がしっかりしており、ある程度業績が安定しているところを選ぶといいでしょう。

必ずしも『職場の規模が大きい=業績がいい』とはいえませんが、私がOTとして働く中で聞いた様々な経験談を振り返っても、職場規模が小さいところや、開業したばかりの施設などでは業績が安定せず、昇給が少ない傾向にあるイメージがあります。

また、業績は安定しているという面でいえば、国公立病院や保健所、国公立のリハビリテーションセンターなどの公的機関に就職するのもいいでしょう。公務員となることで、コンスタントに給与を増やすことができます。

転職先で悩む際はぜひ、PTOT人材バンクのキャリアパートナーにご相談ください。

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3.作業療法士(OT)の給料やボーナス

最後に、OTの平均的な給与や賞与について見ていきましょう。

政府の運営する統計ポータルサイトe-Statでは、20~24歳のキャリアの浅いOTでは、平均月収は23万6,500円で、年収は346万5,100円となっています。そして、キャリアを積み上げた55歳~59歳のOTでは、平均月収が37万7,300円、年収では595万3,500円まで上がっています。

賞与においても、20~24歳のOTでは39万600円ですが、55歳~59歳のOTでは、104万8,600円まで上がっています。

収入アップを目指すには、昇給がコンスタントにある職場で、着実に勤続年数を伸ばしながら昇進していくことが大切なのかもしれませんね。

また、給与についての詳しい説明や給与アップの方法について、『2021年版 作業療法士(OT)と給料~年収や給与UPの方法を総まとめ~』の記事で、より詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。

4.まとめ

給料を上げることに大切なことは、
第一に、昇給がコンスタントにあり、かつ昇給額が大きい職場を選ぶこと
第二に、職場での勤務年数を増やしながら、着実にキャリアを伸ばし昇進をすること
であることがわかりましたね。

しかし、時にはライフステージが変わったり、自身のやりたい職域が変わったりと、転職を検討したくなることもあるでしょう。

そんなときには、求人票をみて、給与の総支給額だけでなく、昇給の制度やその額、賞与、細かな手当てなどを確認し、ご自身が納得できる職場を見つけられるといいですね。

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【参照サイト】
東京都職員給料表(令和3年4月1日現在)
e-Stat経験別年齢別事業規模別の給料