言語聴覚士(ST)は臨床や仕事内容ももちろん重要ですが、心身ともに健康で働くためにも、労働環境が気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな休日日数や残業など、労働環境について紹介していきます。

特に新人の頃は勉強で休みの日を利用することも多いので、休日の確認はとても大切です。私の経験や友人からの情報をもとに記載していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.言語聴覚士(ST)は年間休日110日がベース

STの年間休日は110日が平均の日数で、多い施設では120日以上のことがあります。

平均である110日休みを12か月で割ると、1か月にあたり9日休みで、残りの2日は年末年始休み等で消化という計算になります。1年間の土日の日数だけみると年間104日ですので、土日プラス6日お休みがあるという感じです。

休みが多い施設では年間120日以上のことがありますが、この場合「祝日が休み」「夏休みや年末年始休みが長い」ところは年間休日120日以上になるイメージとなります。

2.言語聴覚士(ST)の休日は施設形態の影響も大きい

上記の年間休日はあくまでも平均で、実際には勤め先の施設の形態によって異なります。

例えば、急性期や回復期病院など毎日リハビリの必要性が高い施設は土日も出勤する場合がありますし、訪問リハビリでは比較的土日休みと募集要項に記載されている傾向があります。

施設の特徴と合わせながら土日や祝日の休みについて詳しく見ていきましょう。

土日休みかどうかは施設による

病院の患者さんは発症後から間もないため、リハビリの効果が期待されやすい時期であり、積極的なリハビリが推奨されます。そのため、機能回復に重きを置いている病院では、完全シフト制や、日曜は固定休みでもう1日は平日か土曜休みなど半シフト制のところがみられます。

介護保険施設や老人ホーム、放課後デイは施設によって土日休みかシフト制なのかは異なるため、週休2日制だとしても必ずしも土日休みではありません。

祝日は休めないことも多い

週休2日制をとっているところもあり、土日休みであっても祝日は通常通り営業していることも多く、祝日に休めないことは少なくありません。特に年間休日110日程度の施設では、出勤日数的にもその傾向があります。

祝日についても施設や勤務先によって条件が異なるので、面接の際に詳しく確認しておくことをおすすめします。

長期休暇は取得できることも多い

反対に、夏休みやGWなど、長期休みを取得できる職場はこれまでの経験や友人からの情報を聞いていると多い印象です。人によっては有休とつなげてうまく調整できることもあり、地元にゆっくり帰る人もいれば、旅行を楽しむことができている人が多いです。

また、365日運営の職場であっても、常駐スタッフが多いところは順番で休みがとりやすい傾向があります。

3.休日もセミナーや勉強会への参加が必要に

これまで説明したように言語聴覚士(ST)は、年間110日以上は休みが取れることが多い職業です。ただ、医療職は年々新しい情報は更新されるため、自己研鑽が必須の職業でもあります。

多職種でも仕事終わりに勉強をしている人は多いと思いますが、リハビリ職はセミナーや勉強会に参加することで自己研鑽できることも多く、休日も仕事関係の予定を入れる機会が多いですし、セミナーの開催も土日や祝日開催が多いのが現状です。

そのため、休日や有休の取得のしやすさは単に休みの確認と捉えるのではなく、自己研鑽という視点でもチェックすることをおすすめします。

4.言語聴覚士(ST)の残業について

最後に、残業や日ごろの業務の様子についてご紹介します。

定時で上がれる人もいるし残業が多い人もいて様々

残業の有無は勤め先によって異なるので何とも言えませんが、急性期病院など突発的な嚥下評価を求められる職場や、書類業務が日中できない環境だと残業多くなりやすい傾向にあります。

また、STが在籍したことが無い施設などはリハビリ道具がそろっていないこともあるため、道具を作成するため業務終了後に残ることもありました。

また、カルテや報告書など記録文章作成に苦戦する新人の時は、臨床での不明点の勉強も重なるため、経験年数があるSTよりも残業は多くなるでしょう。

残業の時間は今後につながる

STの残業は大変なこともありますが、そのまま自分の経験値になるので、長い目で見ると、自分への投資時間とも捉えることができます。

記録の作成は、文章力や専門用語の取り扱いがうまくなり、症状をまとめている中で知らない言葉やあいまいな医療用語を勉強することができます。

また、自分が作成したリハビリの道具は今後の臨床で使えるので、未来の残業をなくすことができますし、転職した際にも応用できます。さらに、どんな道具が使いやすいか工夫できるので、臨床の精度が上げることができると言えます。

体力に自信がないひとも続けやすい

また、STは理学療法士(PT)や作業療法士(OT)よりも、歩行練習など大きな動作や患者様を動かす・支える動作は少ない職種です。

訪問リハビリのように外回りが中心の仕事は除きますが50代・60代になっても体力的には仕事は続けやすいです。女性が現役で働きやすい職種の一つです。

5.まとめ

言語聴覚士(ST)の年間休日は110日が平均で、多いところは約120日休みがあります。休日の形態は勤め施設や病院によって違いが多きく、土日休みのこともあれば週休2日制シフトなど様々です。

祝日を休めないケースもみられるので、就職する際によく確認しておくことが推奨されます。その一方で正月やGWなど長期休みはとりやすい傾向があります。

休日や自分のリフレッシュにも使いますが、自己研鑽できる機会でもあります。新人のころはとくに勉強会に参加することが多いです。セミナーや講演会は土日や祝日に開催される傾向があります。

STの日常の労働環境は、残業があるところもあれば無いところもあり、様々です。飛び込みの嚥下評価対応や、書類業務、リハビリの道具つくりが主な残業の理由ですが、慣れることで徐々に減らせるものも多いです。

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