言語聴覚士は言語能力や聴覚能力などを回復させるためのリハビリをする大切な仕事です。しかし、実際に働いてみると理想と現実のギャップを感じたり、職場環境に満足できなかったりするなど、さまざまな理由で仕事を辞めようかと考えている方もいます。

こちらの記事ではどのような理由で言語聴覚士を辞めたくなるのか、また辞めたくなったときにどのように対処すればよいかを解説します。

どんな時に辞めたくなる?

辞めたいと思う理由は人それぞれですが、大きく分けると次の3つが挙げられます。

仕事の内容が考えていたものと違う

言語聴覚士は発声や聴力、飲み込む能力を改善するリハビリが専門ですが、実際に仕事を始めるとほとんどが介護領域のものだったということがあります。また、専門領域の仕事はあっても、自分は発声の仕事のほうが良いのに嚥下関係だけしか仕事がないなど、自分の専門分野と仕事内容が合っていないケースも見受けられます。

職場環境が合わない

「職場の人間関係に疲れた」「上司が厳しい」「給料が低いのに残業が多い」など職場の環境に満足できないために辞めたいと考えている方もいます。このような環境では仕事を続けるモチベーションも低くなり、仕事上での成長も期待できなくなってしまうでしょう。

ほかにやりたいことができた

言語聴覚士として仕事を始めたものの、ほかにやりたいことができたために辞めたいと考えている方もいます。とくになんとなくこの仕事に就いた場合や、やりがいを見いだせないと感じている方にこうしたケースが多く見られるようです。

「言語聴覚士」を辞める必要はない!職場を変えて解決することも

仕事を辞めたいと思う理由は人それぞれですが、多くの時間とお金をかけて資格を取得したわけですから、「思っていたのとは違う」という理由だけで辞めてしまうのはもったいないのではないでしょうか。

自分の理想と現実がずれているといった問題の場合、言語聴覚士としての仕事自体は辞めなくても、職場を変えることで問題が解決することがよくあります。言語聴覚士には非常にたくさんの職場や働き方があるからです。

【職場別】言語聴覚士の働き方

職場によっても働き方は大きく変わってくるので、自分の希望に合わせた職場を選択するのも大切です。ここでは代表的な3つの職場での働き方をご紹介します。

総合病院・リハビリテーション専門病院

働く職場の規模や役割にもよっても違いますが、総合病院・リハビリテーション専門病院では、嚥下・発声・聴覚など幅広い分野の患者さんを診ることができます。

ここで仕事の基礎を学んでから、そのまま残ってジェネラリストを目指したり、大学病院や専門病院に移って専門分野を極めるなど将来のステップアップを図ったりする道もあります。

介護老人保健施設

介護老人保健施設では、おもに一時的に入所した方の在宅復帰につなげるサポートを行いますが、仕事の内容は地域のニーズや運営者の考え方で大きく異なります。

充実した言語訓練室などを設けてリハビリに力を入れているところもありますが、言語聴覚士の役割を正しく認識していなかったり、訓練を行うための設備が整っていなかったりするところもあるため、職場を選ぶ際には気を付けましょう。

デイサービス・訪問リハビリ

デイサービスの場合、資格を活かして専門的にリハビリを行うケースは少なく、「機能訓練指導員」という形で働くケースがよく見受けられます。このような施設では歩行訓練などをメインに行っているほか、理学療法士や作業療法士ほど給与が高くない傾向があります。

訪問リハビリについては、家庭を訪問して発声のための訓練や家族とコミュニケーションを取る手段の提案、嚥下のための訓練などを行っていくことが一般的で、これから需要が拡大することが期待されます。

自分の適性に合った職場を見つけるのに必要なこと

自分の適性に合った職場を探すには、まず「やりたいこと」をはっきりさせることが必要です。なぜこの仕事に就きたいと思ったのか、何が楽しかったかなどこれまでを振り返ると、今後どのように働きたいか、どのような職場を選択すればよいかもおのずと分かるようになるでしょう。

また、自分の希望だけでなく、雇用する側が何を求めているかを考えるのも大切です。求人票には給与や募集条件について書かれていることが多いですが、それだけでなく希望している施設でどのような仕事を行うことが求められているのかできるだけ詳しい情報を集めるようにしましょう。