PTを目指そうと考えている人の中には、自分がPTに向いているか不安に感じている人もいるのではないでしょうか。

私もPTとして働くまでは、自分に務まるか常に不安に思っていました。

そこで今回は、かつての私と同じ悩みを持つ人のために実際の採用試験でも行われる適性試験についてご紹介するとともに、PTとして働く中で私が感じた適性についてご紹介していきます。

PTの仕事への理解を深める内容にもなっていますので、ぜひチェックしてみてください。

1.理学療法士(PT)が採用時に受ける適性検査の内容と対策法

採用試験で適性検査を実施している施設がありますが、どのような検査をするのかイメージがつきにくい人も多いのではないでしょうか。

ここでは適性検査の内容や対策についてご紹介していきます。一般的に採用試験の際に実施される適性検査には、「性格検査」と「能力検査」の2種類がありますので、それぞれ見ていきましょう。

性格検査の概要

性格検査は日ごろの行動や考え方について様々な角度から質問をし、応募者の人となりをチェックする検査です。

物事や人、目標などに対する考え方に関する問題に対して「はい」「いいえ」「どちらでもない」の中から自分の考えに近いものを選択します。

能力検査の概要

能力検査は、職種に関わらず共通して求められる知的能力を確認する検査です。

一般的には中学校卒業程度の基本的な学力や一般常識などが問われ、言葉の意味や話の趣旨の理解力を問う「言語分野」と数的処理や論理的思考力を問う「非言語分野」の2種類の問題が出題されます。

正解数よりも制限時間内に解いた問題数をみる場合もあるため、慎重に解答するよりも数多く問題を解くことが必要とされています。

理学療法士の適性検査の対策方法

性格検査に関しては特に対策する必要はありませんが、採用側の求める人物像を演じようとしていくうちに矛盾した答えを選択しないように注意が必要です。正直に自分の考えを回答するようにしましょう。

一方、能力検査の場合は事前に適性検査用の問題集などで対策をしておくことが可能です。

中学卒業程度の難易度のため特に難しいものではありませんが、難易度が低い分、確実に点数を取ることが求められる検査ともいえます。事前の対策をしっかりとしていれば難しくはないため、早い段階から少しずつ問題集などで対策をしておくと安心です。

2.理学療法士(PT)が考える適性

ここでは試験は関係なく、現役PTの視点で向いている人の特徴や適性についてご紹介していきます。

責任感のある人

リハビリテーションの実施の有無によりその後の日常生活が大きく変わるなど、リハビリテーションは対象者の方の人生を背負っているといっても過言ではありません。

しかし、提供するリハビリテーションの質の高さに関して、個々に善し悪しを評価する制度がないため、どのようなリハビリテーションを提供していても条件を満たしていれば報酬を得ることができてしまいます。

そのため、環境に影響されることなく自身が提供するリハビリテーションに信念と責任感を持ち、業務に臨む気持ちが大切です。

コミュニケーション能力が高い人

リハビリテーションを実施していく中で、対象の方だけでなくご家族や他職種のスタッフとのコミュニケーションは必要不可欠になります。

各方面と信頼関係を築くことにより、円滑に業務を進めることができることも多く、質の高いリハビリテーションを提供するためには大切なポイントとなります。

そのため、様々な個性を持つ人に対して柔軟に対応できる能力がある人は適性が高いといえるでしょう。

多角的な視点を持てる人

リハビリテーションは主にリハビリテーション室や病室など施設内で実施されることがほとんどです。

対象者の方が実際に生活する場とは異なる環境であるため、施設内での日常生活動作だけでなく実際の居室や移動手段などを想定して治療計画を立ててなければなりません。

また日中の介助者は誰になるのか、サポート体制に対しても認識しておく必要があるなど、多角的な視点で状況を捉えていく能力が求められます。

探求心があり行動力のある人

PTは国家資格であるため安定している職業とされています。しかしながら、登録理学療法士制度が導入されるなどPTを取り巻く環境は変化を続けています。

その他にも診療報酬や介護報酬の改定などもあり、情報を更新していくことが求められる職業です。施設が勉強会を開催してくれることもありますが、受け身の体制では情報を取りこぼし時代の流れに遅れてしまう可能性もあるため、自ら学ぶ姿勢は非常に重要になります。

思いやりのある人

リハビリテーションは長期にわたり実施されることがほとんどです。リハビリ期間中において、対象者の方やご家族の心情が変化することは珍しくありません。

時には不安を強く感じたり、リハビリへの不満を感じたりすることもあるかもしれません。そんな時には対象者の方やご家族の気持ちに寄りそうことが大切です。

相手の気持ちに寄り添う思いやりの心は、リハビリテーションを受ける対象者の方やご家族をサポートしていくうえで重要なポイントといえるでしょう。

度胸のある人

PTとして働く中で、全身状態が不安定でも離床が求められている方や、複数の点滴がつながれている状態の方など、リスクの高い方のリハビリテーションを行うことも少なくありません。

発症間もない方や寝たきりの方に車いす移乗を促すなど新しいことを始める際は、リスク管理をしっかり行いリスクを回避していても、度胸が必要なことがあります。

PTが不安がっていては先に進めないこともあるため、肝が据わっている人の方がPTに向いているといえるでしょう。

また、気性の荒い方や暴力傾向のある方に対してもリハビリテーションを行うことがあることから、どんな相手でも気丈にふるまえる度胸がある人はPTだけでなく医療従事者としての適性が高いといえます。

洞察力のある人

リハビリテーションは長い期間続けることが多いため、対象者の方の小さな変化にも気づく洞察力が求められます。

例えばモチベーションが下がっている様子に気がつくことができれば、少しでも改善していることについて「よくなってきましたね」と声かけをするなどのフォローができます。

また、元気がない様子に早く気がつくことで、リハビリテーションへの悩みを早期に解決できることもあり、高い洞察力によってリハビリテーションが円滑に進められることも珍しくありません。

3.理学療法士(PT)が向いているか不安な方へ

ここまでPTの適性について紹介してきた中で、自分にはPTが向いていないかもしれないと不安に感じてしまった人もいるかもしれません。

しかしながら全てのPTが今回ご紹介した適性を全て持っているわけではありません。

年数を重ねても上記の適性がない人もいれば、経験を積む中で適性が培われていく人もいます。

必要な適性を知ったうえでもPTを目指したいという高いモチベーションがある人は、例え今は当てはまる項目が少なくてもPTへなるための道を歩む中で適性を磨いていけるでしょう。

4.まとめ

理学療法士(PT)を目指すうえで求められる適性についてご紹介してきました。

様々な適性が備わっていることで円滑に業務を進められる可能性が高いですが、全ての適性を備えた人だけがPTになれるというわけではありません。

大切なことは現在の自分が持つ適性だけでなく、PTとしての信念をしっかり持ちつつ、日々の学びの中柔軟に変化しながら適性を磨いていくことだと考えます。

PTとして様々なことを経験していく中で、成長していく自分を楽しみながら適性を磨き、質の高いリハビリテーションを提供していけることが大切です。

不安や不明点があれば、是非PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。
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