理学療法士(PT)になるには養成校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。この記事では、大学・専門学校の違いや最短でめざすルート、社会人が働きながら目指す方法、学費サポート、合格率や平均年収について解説します。

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理学療法士(PT)になるには?資格取得までのステップ

まずは、資格を取得して実際に働き始めるまでにどのようなステップが必要なのか、全体の流れを確認していきましょう。

資格取得までの基本的な4ステップ

理学療法士(PT)になるには、国が定めた養成校(大学・短大・専門学校)を卒業後、国家試験の受験資格を得て、試験に合格する必要があります。独学や通信講座だけで資格を取得することはできず、必ず法律で指定された学校に通わなければなりません。

具体的な流れは以下の4つのステップです。

  1. 高等学校を卒業する(または高等学校卒業程度認定試験合格など同等の資格を得る)
  2. 厚生労働大臣または文部科学大臣が指定した養成校(大学・短期大学・専門学校)で3年以上学ぶ
  3. 理学療法士国家試験を受験し、合格する
  4. 厚生労働大臣から「理学療法士免許」の交付を受け、病院や施設などに就職する

出典:理学療法士になるには(公益社団法人 日本理学療法士協会)

学校では座学だけでなく、実際の医療機関や介護施設に赴いてリハビリの現場を体験する「臨床実習(実際の患者様を担当して技術を学ぶ研修)」が必須となっています。これらをすべて修了することで、年に1回実施される国家試験への切符を手にすることができます。

理学療法士になるまでの道のり

大学と専門学校(養成校)はどちらを選ぶべき?

結論から言うと、「学問的な深究や将来の研究・大卒資格を求めるなら大学」「最短3年で即戦力として現場に出たいなら3年制の専門学校」がおすすめです。

どちらを卒業しても、取得できる「理学療法士国家試験の受験資格」に違いはありません。また、就職率に関してもどちらかが有利になるということはなく、どちらも高い水準を誇っています。自分のライフプランや経済状況に合わせて選びましょう。

  • 大学が向いている人
    ・「大卒」の学歴を手にし、将来的に管理職や研究職、教授職を目指したい
    ・チーム医療の最先端や、海外の論文なども含めて深く研究に関わりたい
    ・他学部の友人を作ったり、部活やサークルなどのキャンパスライフを楽しみたい
  • 専門学校が向いている人
    ・最短(3年)で資格を取り、1年でも早く社会人として稼ぎたい
    ・臨床実習や実技中心のカリキュラムを重視し、現場の即戦力になりたい
    ・1年分の学費や生活費を浮かせ、トータルのコストを抑えたい

社会人でもなれる?働きながら理学療法士を目指す方法

結論から言うと、社会人からでも理学療法士になることは可能です。
実際に異業種からキャリアチェンジして理学療法士として働いている人も少なくありません。

ただし誰でも簡単になれるわけではなく、現実的なハードルがありますので確認していきましょう。

年齢制限はある?

理学療法士を目指す上で、年齢制限はありません。養成校への入学試験に合格し、カリキュラムを修めれば、20代、30代、40代からでも国家試験に挑戦できます。

【PTOT人材バンク キャリアパートナーからのアドバイス】
『社会人からでは遅いかも…』と諦める必要はありません。実は、医療や介護の現場では、『社会人経験』や『高いコミュニケーション能力』を持つ人材が重宝されます。リハビリは患者様との信頼関係が何より大切だからです。実際に社会人から理学療法士になり、活躍されている方もいらっしゃいます。

社会人が選ぶべき学校は?

社会人が理学療法士を目指すうえで最も重要なのは学校選びです。学校選びを間違えると、途中で挫折してしまう可能性もあるため、慎重に判断する必要があります。

働きながら通いたい場合の選び方

仕事を続けながら資格取得を目指す場合は、「時間的負担を減らせるか」が重要になります。以下の条件を満たす学校を選ぶとよいでしょう。

・夜間部がある(授業が夕方〜夜に設定されている)
・社会人入試がある(筆記試験が比較的易しい場合も)
・通学しやすい立地(移動時間が短い)

ただし、夜間部がある学校は2026年時点で全養成校約300校のうち、10%程度の約30校かつ都心部に集中している傾向があるため、通学圏内にあるかの確認をおすすめします。

出展:理学療法士養成校一覧(公益社団法人 日本理学療法士協会)

社会人が使える学費サポート制度(給付金)はある?

社会人からの進学において最大の壁となるのが「学費」ですが、一定の条件を満たしていれば、サポートを受けられる可能性があります。その一例が厚生労働省の「専門実践教育訓練給付金」です。

この制度を利用すると、養成校に支払った学費の最大70%(年間上限56万円、最大3年間で168万円)がハローワークから支給されます。仕事を辞めて昼間部に通う場合でも、一定の要件を満たせば生活費の一部を補填してくれる「教育訓練支援給付金」が支給される仕組みもあるため、経済的な負担を大幅に減らすことが可能です。

それ以外には、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金、各学校の学費免除・特待生制度などが用意されている場合があります。

出典:教育訓練給付金の支給申請手続について(厚生労働省)

理学療法士国家試験の難易度は?合格率と試験内容

理学療法士になるための最後の関門が「国家試験」です。「医学の勉強なんて自分にできるかな…」と不安になる方も多いですが、正しい対策を行えば過度に恐れる必要はありません。

試験の合格率は?

理学療法士国家試験の合格率は、例年80%〜90%前後で推移しています。

2026年2月に実施された第60回試験の全体合格率は89.7%(新卒者に限れば94.9%)となっており、学校のカリキュラムを真面目にこなし、対策をしっかりと行っていれば決して突破できない難関試験ではありません。学校側も国家試験合格に向けて総出でサポートしてくれます。

出典:第61回理学療法士国家試験及び第61回作業療法士国家試験の合格発表について(厚生労働省)

試験の出題内容は?

試験は、マークシート方式の筆記試験で、1日で午前・午後に分けて行われます。大きく分けると「一般問題」と「実地問題」の2種類です。

  • 一般問題(1問1点)
    解剖学(体の構造)、生理学(体の機能)、運動学(体の動き)といった基礎医学から、病理学概論、臨床医学総論など、医療従事者として必要な知識が幅広く出題されます。
  • 実地問題(1問3点)
    実際の臨床現場を想定した事例問題です。運動療法、物理療法、評価法など、具体的な患者様の症状に対してどのようにアプローチすべきか、応用力と判断力が問われます。実地問題は1問3点と配点が高いため、ここを確実に得点することが合格への鍵となります。

理学療法士の将来性は?就職先・年収・AIの影響

進路を決定するにあたり、将来性や安定性、そしてお給料の面は誰もが気になるポイントですよね。理学療法士のリアルな現状をお伝えします。

主な就職先(勤務先)にはどこがある?

理学療法士の就職率は非常に高く、多くの養成校が「就職率100%近く」を掲げています。高齢化社会が進む日本において、リハビリのニーズは絶えません。主な活躍の舞台は以下の通りです。

  • 医療機関
    一般病院、リハビリテーション専門病院、整形外科クリニック、大学病院など(最もスタンダードな就職先です)
  • 介護・福祉施設
    介護老人保健施設(老健)、特別養護老人ホーム(特養)、デイサービスなど
  • 地域・在宅
    訪問看護ステーション(患者様のご自宅に伺ってリハビリを行います)
  • その他
    スポーツチームのトレーナー、フィットネスジム、福祉用具メーカー、行政機関(保健所など)

理学療法士の平均年収はいくら?

厚生労働省の最新データ(令和6年賃金構造基本統計調査)によると、理学療法士(作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含むグループ)の平均年収は約444万円(平均月給 約31万円、年間賞与等 約70万円)となっています。

日本の給与所得者の平均水準と比較しても安定しており、国家資格職ならではの手堅い収入基盤を築くことができます。もちろん、この金額は全体の平均値であるため、勤務する病院・施設の規模、シフト手当の有無、役職手当、あるいは訪問リハビリなどのインセンティブ(インセンティブ制度:個人の成果や訪問件数に応じて給与が上乗せされる仕組み)によっても前後します。

着実に経験年数を積み上げることで、さらなるステップアップや高収入を目指せることも魅力の一つです。

出典:賃金構造基本統計調査 / 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(厚生労働省)

AI(人工知能)にリハビリの仕事は奪われる?

近年、「AIの進化によって多くの仕事がなくなるのでは」という不安を耳にします。しかし、理学療法士の仕事は「AIに代替されにくい職種」の一つと言われています。

なぜなら、リハビリは単にマニュアル通りに体を動かすだけではないからです。患者様一人ひとりのその日の体調、微妙な筋肉の緊張度合い、誠実に向き合う中での「リハビリが辛い、モチベーションが上がらない」といった感情の機微を読み取り、手で触れ、言葉をかけながら並走していく仕事です。この高度なコミュニケーションとオーダーメイドのアプローチは、AIやロボットには真似できない人間ならではの領域です。

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理学療法士のなるにはについてよくある質問

Q1:文系出身でも理学療法士の学校の勉強についていけますか?

はい、問題なくついていけます。養成校に入学した後は、理系・文系に関わらず、全員がスタートラインを揃えてゼロから「解剖学」や「生理学」などの基礎医学を学びます。物理や生物を選択していなくても、日々の講義の復習をコツコツと行えば、十分に理解を深めて国家試験を突破できます。

Q2:理学療法士(PT)と作業療法士(OT)の違いは何ですか?

最も大きな違いはリハビリの「目的とアプローチ」にあります。理学療法士(PT)は「起き上がる」「立つ」「歩く」といった基本動作の回復を目指し、大きな筋肉を動かす運動療法や物理療法を行います。一方、作業療法士(OT)は「食事をする」「文字を書く」「入浴する」といった、日常生活や社会復帰に必要な応用的動作・手の細かい作業のサポート、さらには精神面のケアを重視します。

まとめ

理学療法士(PT)になるには、国が指定する大学や専門学校などの養成校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。ルートは一つではなく、高校からストレートに進学する道はもちろん、夜間部や国の給付金制度(専門実践教育訓練給付金)をフルに活用して、社会人から未経験でもキャリアチェンジを成功させることも可能な職種です。

この記事の最重要ポイント
・理学療法士になるには、養成校で3年以上学ぶことが必須(通信のみは不可)
・学校は大学(4年)専門学校(3〜4年)があり、どちらも就職率は高い
社会人からでも年齢制限なしで目指せて、夜間部や学費給付金(最大70%支給)も充実
・国家試験の合格率は例年80%〜90%前後で、AIに代替されにくい将来性のある仕事

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