作業療法士(OT)を目指している方は、どんな人が向いているのか、自分には作業療法士としての適性があるのかどうか、気になるのではないでしょうか。

就職先によっては適性診断を行っているところもあります。

そこで今回は、OTに必要な適性や就職の際の適性検査について、また、適性検査に合格するためにはどうすればよいかを解説していきます。

1.作業療法士(OT)に必要な適性

OTは、様々な病気や障害を抱えた方に幅広いリハビリを提供するために、必要な適性というものがあります。どんな人がOTに向いているのか、ご紹介していきます。

もし、自分にこれらの特性がないと感じても、OTになれないわけではありません。とはいえ、これらはOTとして働く上でとても大切なことでもありますので、できるだけ意識して苦手を克服していくようにすると良いでしょう。

相手に寄り添える

OTは、身体障害だけではなく、精神障害も専門領域とし、心と体両方のケアを行います。

患者さんの気持ちに寄り添い、病気や障害を抱えていても、これからその人らしく生きていくためにはどうすればよいかを一緒に考えられる人材が求められます。

人と話しをすることが好き

OTは、話すことも大事です。

患者さんとはもちろん、ご家族や多職種と密に連携をとり、その方に適したリハビリを提供する必要があります。人と話しをすることが好きで、そういった周囲の人たちと良好な関係が気づける人はOTとしてとても向いていると言えます。

観察力がある

OTは評価の視点が大事です。

患者さんの見えない気持ちやちょっとした変化などをしっかりと観察できる人は、患者さんの状態を正確に評価することができ、患者さんの予後に繋げることができるからです。

柔軟な考えができる

医学的な知識やよく使われる手技も大事ですが、OTは患者さんの状態を複合的に診て、その人に合うようにリハビリ内容をカスタマイズすることが求められます。

そのために、柔軟な考えができて、幅広く対応できる力が必要となります。

遊び心がある

OTの提供するリハビリの中では、身体機能訓練やADL訓練だけではなく、患者さんの仕事や趣味活動に対してアプローチすることもあります。また、小児の領域では遊びが作業療法の一部となります。

体操やゲーム、ガーデニング、手芸や工作など、患者さんが楽しみながらリハビリができるためにOTには幅を広げる遊び心も大切になってくるのです。

根気強い

リハビリでは、すぐに障害が良くなる方ばかりではありません。長期的に緩やかに回復していく人、継続して関わることで能力が維持できる人もいます。

そのような場合でも、患者さんを励ましながら焦らず、根気強く取り組む力も必要です。

手先が器用

OTで意外と言われることが多いのは、手先の器用さです。手芸や物作りが得意だからとPTではなくOTを選んだという同期もいました。

OTは、リハビリの中でそういった細かな作業を行うこともありますし、その人に合った自助具を自分で製作したりすることもあるため、手先が器用さは業務上活きてきます。

2.採用時に受ける適性検査の内容

適性検査とは、企業が採用前に知的能力や性格を評価し、その仕事に適しているかを客観的に判断するためのものです。医療や福祉分野でも適性検査を導入している所は多く、新卒だけでなく中途採用やパートの採用でも行われることがあります。

適性検査には大きく分けて「性格検査」と「能力検査」の2種類があります。

性格検査

性格検査は企業との適性を把握するための心理検査で、特に即戦力として面接等ではスキルを重視されやすい中途採用の場合、性格検査にて適性を図ることも少なくありません。

200問以上で構成され、質問に対して自分の考えに近いものを選択します。面接では、性格検査をもとに進められることが多いので矛盾しないよう答える必要があります。

能力検査

能力検査は、基本的な学力や思考力を図るテストで「SPI」などが有名です。

中学や高校レベルの問題が出題されるため、難易度はそれほど高くありません。しかし、問題数が多く、場合によっては正解数よりも解答数を見られることもあるため、次々問題をこなして、高得点を狙うことが大切になります。

採用先によって、得点のボーダーラインや重視する点が異なるということも注意しましょう。

3.適性検査に必要な対策方法

適性検査のうち、性格検査に関してはありのままに解答することが大切です。いくら事前に対策を考えて魅力的に見せようとしても、間違った自分像を伝えることになりマイナス評価につながりかねません。

能力検査については、問題集を買って勉強するとよいでしょう。もし事前に出題される検査の種類がわかっているのであれば、その問題集を用意し、わからなければメジャーなものを使用します。できるだけ早く解答できるようスピードを意識して取り組みましょう。

作業療法士(OT)の採用試験時、適性検査がある場合も少なくはありませんが、そこを一番に重視されるわけでないことをしっかりと意識してください。

大切なことは、国家資格を持った専門職として働く上で、必要な知識を有しているか。そして、患者さんや家族、多職種としっかりコミュニケーションをとっていくためのコミュニケーション力や人間力があるかということが見られます。

適性検査の対策と共に、OTとしてこれまで学んできたことや、どのように働いていきたいかという自分の意思を伝えられる準備も行いましょう。

4.作業療法士(OT)が向いているか不安な方へ

作業療法士(OT)が向いているか不安に思う方もいらっしゃると思います。私も学生時代、辛い実習を経験していた時に、自分はやっていけるだろうかと不安になりました。

しかし、これまでの勉強や実習、国家試験を懸命に乗り越えてきた方たちは、それだけの覚悟と能力が既に備わっていると思います。

もちろん、臨床の現場に出ると辛い現実ややるせないことも必ずあります。しかし、辛い想いを抱えている患者さんの力になるためにこれまで勉強や経験を積んできたのだということを忘れないでください。

OTに向いているか不安になったら、まずはOTとして働いてみることで、その答えが必ず見つかると思います。

5.まとめ

作業療法士(OT)にはどんな人が向いているか。それは、OTとして学び、経験していくことで徐々にわかってくるのではないかと思います。

そしてまた、OTは幅広い分野で活躍できるように、その人にあった働き方というものもできます。

自分が向いているかも大事ですが、自分に合ったOTとして働き方を見つけていってください。

不安や不明点があれば、是非PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。
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