作業療法士(OT)になるには養成校を卒業し、国家試験に合格しなければなりません。
作業療法士国家試験は例年2月下旬に実施されます。第61回は2026年(令和8年)2月23日(月)の予定で、合格発表は3月23日(月)午後2時に行われます。
◆第61回の結果速報はこちら👇
【速報】第61回作業療法士国家試験の合格発表 | 合格点、合格基準、合格率(2026年)
合格には総得点6割以上に加え、配点の高い「実地問題」での基準点クリアが必須です。試験はマークシート方式で200問とボリュームがあるため、頻出の専門問題を中心に、実習経験を活かした効率的な対策が合格への鍵となります。
この記事では、作業療法士国家試験の2026年の日程、合格基準と難易度から最新の傾向までを解説します。事前のスケジュール確認と効率的な学習で、確実に合格を目指しましょう!
目次
1.作業療法士(OT)国家試験の受験資格
作業療法士の国家試験を受験できるのは、厚労省により以下の資格を満たす方とされています。
・大学を受験できる資格を持ち、文部科学大臣が指定した学校もしくは都道府県知事が指定した作業療法士養成施設で3年以上、作業療法士に必要な知識や技能を修得した方。もしくは、受験する年度において卒業する見込みの方 他
(出典:作業療法教育の最低基準)
つまり高校以上を卒業し、作業療法士の知識や技能を修得できる学校で3年以上学び所定の単位を修得した方です。ちなみに、所定の単位は作業療法教育の最低基準によって101単位以上と定められています。
大卒の方や社会人を経験した方であっても、改めて養成校に通うことで国家試験を受験することができます。その場合、一部履修が免除になる既修得単位認定制度を設けている学校もありますので、各養成校に問い合わせてみてください。
2.第61回作業療法士(OT)国家試験の日程と概要
この章では、第61回作業療法士(OT)国家試験の日程と概要をご紹介します。
試験日程・試験会場
| 試験日 | (1)筆記試験 2026年2月23日(月曜日) (2)口述試験及び実技試験 2026年2月24日(火曜日) |
| 試験地 | (1)筆記試験 北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県 (2)口述試験及び実技試験 東京都 |
作業療法士(OT)の国家試験は毎年1回行われます。一般の方は2月23日(月)が試験日で、一般問題と実地問題の筆記試験を行います。
※24日(火)は、重度視力障害者の方向けの口述試験及び実技試験日
私が通っていた養成学校は試験会場から遠かったため、養成校の受験生全員で前日にバス移動し、試験会場近くのホテルに泊まることが定例となっていました。2月末は雪の心配などもありますので、ゆとりをもって会場に行くことも大切な準備といえるでしょう。
(出典:厚生労働省 | 作業療法士国家試験の施行)
出願から合格発表までのスケジュール
| 9月上旬 | 厚生労働省から受験概要が発表 |
| 9月下旬 | 受験願書配布 |
| 12月中旬~1月上旬 | 願書提出 |
| 1月下旬 | 受験票配布 |
| 2月下旬 | 国家試験 |
| 3月下旬 | 合格発表 |
2026(令和8)年の第61回では、3月23日(月)14:00に、厚生労働省のホームページで合格発表が行われる予定です。
正答は合格発表時に公表され、不適切・誤りがあれば採点除外や全員正解などの対応が取られます。試験後に解答速報が公開されることもありますが、公式発表ではありません。
(出典:厚生労働省 | 作業療法士国家試験の施行)
免許登録の手続きは国家試験合格後に行い、必要となるのは免許申請書と診断書です。
免許申請について知りたい方はこちら👇
問題数・試験時間・試験形式

| PT・OT共通問題 | OT専門問題 | |
| 午前 9:50~12:30 (160分) | 一般問題:50問 | 実地問題:20問 一般問題:30問 |
| 午後 14:20~17:00 (160分) | 一般問題:50問 | 実地問題:20問 一般問題:30問 |
マークシート式で行われ、多くが5肢択一ですが、一部5肢択二も含まれます。
1問につきかけられる時間は単純計算で1分半強程度です。1問に時間をかけすぎてしまうと、残りの問題を解く時間が無くなってしまいます。国家試験のなかには難解問題も数問あるので、そこには時間をかけすぎないようにしましょう。
1分考えて「わからない!」と思ったら、次の問題に移り、最後に余った時間で解く方が無難です。その際には、必ず問題に印をつけ、マークシートにも解答のズレがないことを確認することが非常に大切です。
(出典:厚生労働省 | 作業療法士国家試験の施行)
合格基準・配点
| 実地問題 | 運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、 臨床医学大要(人間発達学を含む)、作業療法 | 各問1~20 (合計40問) | 3点/1問 |
| 一般問題 | 解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、 リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)、 臨床医学大要(人間発達学を含む)、作業療法 | 各問21~100 (合計160問) | 1点/1問 |
100問のうち問1~20まで、午前午後合計した40問を「実地問題」と言い、1問3点で計算されます。一方、実地問題以外の問題(各問21~100の合計160問)は1問1点で計算されます。
実地問題は35%以上の正答率、総得点は60%以上が合格基準になることが一般的です。しかし、合格基準点はその年によって微妙に変わりますので、実地問題は40%以上の正答率、総得点は70%以上を目指して学習に励むと良いでしょう。
3.作業療法士(OT)国家試験の難易度
作業療法士(OT)国家試験の合格基準点は、過去数年でおおむね総得点の60%前後で推移し、合格率も80%台前半で安定しているため、難易度は極端に変わらず比較的一定の水準と言えます。
第61回は、直近5年で合格率が最も高い91.2%となっています。

(出典:厚生労働省|理学療法士国家試験及び作業療法士国家試験の合格発表について(第57回、第58回、第59回、第60回、第61回)

(出典:厚生労働省|理学療法士国家試験及び作業療法士国家試験の合格発表について(第57回、第58回、第59回、第60回、第61回)
4.OT専門問題と実地問題の対策
OT専門問題と実地問題の対策について解説していきます。
OT専門問題
基礎作業療法学、作業療法評価学、作業療法治療学、地域作業療法学、臨床実習
※令和5年時点
PTと同じ問題である共通問題と違い、専門問題はOTに特化した内容になります。過去問をさかのぼると、出題頻度が高い専門問題があることがわかり、特に作業療法評価学や作業療法治療学はとても高頻度で出題されます。
国家試験は合格者数で足切りされるものではなく、一定の知識がある者ならば何人でも合格できます。そのため、国家試験ではOTとしておおむね理解しているべきである基本的な評価法、治療の理解が求められます。あくまで私の印象ですが、出題される疾患・治療方法も、評価方法も、「まったく知らない」「ほとんど見たことがない」といったものはあまり出題されません。実習地で目にしたことのある疾患や評価方法ばかりなのです。
もっと詳しく述べれば、作業療法評価学であれば、身体障害領域で対象となることが多い、脳血管疾患や整形疾患に関係する評価が頻回に出題されます。ROM、MMT、Brunnstrome stage、STEFなど、実習地で一度は評価したことがあるのではないでしょうか。
作業療法治療学では、精神疾患は必ずと言っていいほど出題されています。疾患別であれば統合失調症やうつ病は高頻度で出題されており、これらも精神障害領域の施設での実習で関わったことのある疾患ではないでしょうか。
暗記問題だけでなく、実際の授業での実践や実習場面で得た知識が活かされるのも専門問題の特徴です。
実地問題
運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要、作業療法
実地問題は暗記力だけで解ける内容ではありません。具体的に症例が提示され、症例の疾患や身体状況を踏まえて、答えを導き出す必要があり、読解力や考察力なども求められるでしょう。
そして、実地問題は1問3点と配点が大きいため、なるべく点数を落としたくないポイントです。なお、実地問題は42点以下だと不合格になってしまうので、注意が必要です。極論を言えば、一般問題で159点満点を取ったとしても、実地問題が43点に満たなければ、総合得点の約6割である168点以上を取っていても不合格になってしまうのです。
国験対策や勉強法の詳細はこちら👇
5.第59回(令和6年度)以降の変更点(専門問題の出題基準)
令和6年度以降の国家試験では、専門問題の出題基準においていくつか変更点がありました。具体的に何が変わるのか見てみましょう。
「作業療法管理学」の追加
平成28年度に厚生労働省より提示された専門問題の出題基準は「基礎作業療法学、作業療法評価学、作業療法治療学、地域作業療法学、臨床実習」の5つでした。そこへ、令和6年度より「作業療法管理学」の項目が追加され、職業倫理や職場管理、教育に関する内容、さらには法規なども出題範囲となりました。
(出典:令和6年版理学療法士作業療法士国家試験出題基準について、厚生労働省 出題基準と試験科目の対応表(作業療法士国家試験))
「作業療法治療学」の項目の細分化
項目内に「基本動作」が追加されました。また、従来出題されていた装具などに加えて、「支援機器、自助具等」も出題範囲となりました。実際、OTの臨床現場では脳血管疾患や神経難病などで、支援機器や自助具を提示することは多いです。
あくまで私の予想ですが、患者に合わせた支援機器の選択を求める症例問題などが出る可能性があるのでは、と感じました。基本動作も含め、より実践的な知識を求められる可能性もあります。
「臨床実習」項目における「実習実施内容」の細分化
「医療提供施設実習実施内容、地域実習実施内容」へ変更されたことと、実習後評価も追加して盛り込まれました。
これらのことから、従来の試験問題は座学での基本的知識、臨床でのOTとしての実践(治療・評価ともに)から中心に出題されていましたが、今後は職業倫理や法規、臨床実習内容などといった、OT学生として学ぶすべてのことを網羅した試験問題が作られる可能性があるといえます。
変更点をふまえての対策
これまではすべての実習が終了した後に短期集中型で国家試験対策を練っていた養成校も多かったでしょう。しかし従来よりも幅広い範囲から出題される可能性を踏まえると、短期集中型の学習方法よりも、一つ一つの講義をしっかりと覚え習得する姿勢を持ち、コツコツと勉強を進めていくことが最終目標である「国家試験合格」に近づけるかもしれません。
5.まとめ
作業療法士(OT)は国家試験に合格しなければ、4年間養成校に通っても就職先が決まっていてもOTとして働くことができません。
その重圧はとても大きく、私自身も国家試験対策の時期は人生の中で間違いなく一番勉強していたと言えるくらい必死に勉強に励んでいました。
しかし、それくらい国家資格というものは重い責任をもって働いていく職業である証ですし、合格すれば誇りをもって一生働いていくことのできる資格です。
大変な道のりではありますがやりがいと対策方法は必ずありますので、ぜひ自分の目指すOTになるために頑張っていってほしいと思います。
不明点があれば、是非PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。
PTOT人材バンクへのよくあるご質問
PTOT人材バンクご利用者様の声(口コミ)
作業療法士(OT)の求人・転職情報はこちら
関連記事
作業療法士(OT)を目指す方におすすめの記事をご紹介。










