理学療法士(PT)の障がい者施設での仕事と入所者さんについて

障がい者施設と聞くと、どのような方が入所しているイメージがありますか？

精神疾患や知的障がいのイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実際には身体的な障害により障がい者施設で生活している方も多くいらっしゃいます。

障がい者施設で理学療法士(PT)がどのような方を対象に、どのようなことをしているのかイメージが湧きにくい人も多いかと思いますが、今回は障がい者施設でのPTの役割や働き方について分かりやすく解説していきます。

１．障がい者施設での理学療法士(PT)の仕事

障がい者施設には作業療法士(OT)が多いイメージもありますが、理学療法士(PT)はどのような仕事をしているのでしょうか。

まずは、入所者さんや理学療法について簡単にご紹介していきます。

障がい者施設は、介助や介護が必要で尚且つ自宅での生活が難しい方が入所されている施設です。知的障がい者や身体障がい者など様々な方が対象となり、PTが介入するケースも多様です。

主に加齢や病気、けがなどでADLが低下してしまった方など介助や介護が必要になるケースでPTが介入しますので、多くの入所者さんにリハビリテーションを提供することになります。

また、入所されている方の多くが障害者程度区分４以上であるため、おむつ交換や食事介助など様々な介助を必要とする方が多いものの、調理補助や就業訓練など自立に向けた訓練を行う入所者様もいます。

主に基本動作能力の維持回復、運動療法や物理療法による麻痺の緩和、痛みの軽減、関節可動域の維持拡大などを目指した個別プログラムを提供します。

その他にも集団リハビリテーションの運動内容を考え、実際にレクチャーする仕事をPTが担うケースも珍しくありません。

また、寝たきりの状態にある入所者様に対しては離床時間を長くできるよう車いすの乗車訓練などを行うほか、褥瘡や誤嚥性肺炎の予防のために体位交換などを看護及び介護スタッフとともに行う場合があります。

急性期病院や回復期病院に比べて、リハビリテーションでADLが大きく変化するケースは少ないため、現在の機能を維持するとともに、機能をより汎化できるようなサポートをしていくことも重要な役割となります。

例えば装具や自助具の選定を行うことで、既存の身体機能でもADLがアップするケースもあり、入所者様の身体精神機能を評価し適切な装具や自助具を選定することもPTの役割です。

一般的な障がい者施設での1日の流れを見ていきましょう。

時間	業務内容
08:30～9:00	業務開始、リハビリ室の掃除、1日の流れや利用者様の記録を確認
09:00～12:00	入所者様への個別リハビリテーション
12:00～13:00	お昼休み
13:00～17:00	入所者様への個別リハビリテーション、集団リハビリテーションなど
17:00～18:00	記録作業、計画書などの作成、業務終了