どんな仕事もそうですが、新しい環境でスタートを切るためには就職試験を受けなければなりません。

理学療法士(PT)についても例外ではありません。PTの就職試験としては、面接や専門的な筆記試験はもちろんのこと、最近では様々な課題が課されるようにもなっています。

今回はPTの就職試験についての概要やその対策の方法について紹介していきます。

1.理学療法士(PT)の就職試験の具体的な内容

PTの就職試験としてはどのようなものがあるのでしょうか。面接はもちろんのこと、筆記試験や実技試験などを実施する施設もあるようです。

まずはそれぞれの内容について具体的に見ていきましょう。

適正検査

適正検査とは、いわゆるSPI検査と言われるもので、Synthetic Personality inventory (総合的制検査)の略です。

S P I検査とは、リクルートマネジメントソリューションズによって次のような考えからら開発されたもので、現在では多くの一般企業が就職試験に導入しています。

学歴や職歴などの表面的な情報だけでなく、個人の資質をベースとした採用選考に寄与したい

リクルートの適性検査SPI3>SPIとはどんな検査

SPI検査は大きく2つに分類することができます。1つは対象者の知的能力を測る「能力検査」、もう1つは対象者の人となりを見るための「性格検査」です。

「能力検査」と「性格検査」の2つの検査についてもう少し詳しく見てみましょう。

能力検査

能力検査は仕事をする上で必要となってくるコミュニケーション能力や思考力、知識・技能の習得などのベースとなる能力を測るために行われます。

言葉の意味や話の趣旨の理解力などを問う「言語分野」と数的な処理や論理的な思考力を問う「非言語分野」の2分野に分けて問題が出題されます。

性格検査

性格検査では対象者の考え方のくせやどのような人物なのか、どのような仕事に向いているかを見る検査になります。

日常的に行われる思考や行動について複数の質問項目が提示され、自分であればどうするか当てはめていく形で試験が進んでいきます。

専門試験

専門試験ではPTとしての専門的な知識を問われる問題が出題されます。

一般的には国家試験と同じ内容・形式で出題されることが多く、選択式で解答することがほとんどです。時に記述式の解答を求められることもあります。

小論文

小論文は課題に対する理解力や文章表現力、また論理的な思考力を見るために課されることがあります。テーマとしては「理学療法士のやりがい」や「チーム医療の中での理学療法士の役割」などが設定されることが多いようです。

少し難しいものになると「最近の医療トピックスについて印象に残ったもの」や「再生医療と理学療法」といった時事ネタが設定されることもあります。

実技試験

実技試験を課すところは数例しか聞いたことがありませんが、患者さんの模擬評価や医療面接を実践するように指示され、その様子を評価されるといった内容になります。

実技試験は点数化しにくく、かつ時間も要するため実施するところは多くないでしょう。

面接

面接試験は一般企業などの就職試験を受ける場合と内容は大きく変わりません。志望動機や自己P R、PTとして自分がどうありたいか、どんな仕事をしたいかなどを聞かれる可能性が高いです。

転職の場合には前職での経験や自身の強み、退職理由や就職先としてこの職場を選んだ理由などを聞かれることが多くなってくると思います。

2.理学療法士(PT)の就職試験の対策方法

ここまで、PTの就職試験の内容について一緒に見てきました。ここからは、それぞれの試験に対する対策について紹介していこうと思います。

適正検査対策

適性検査は「能力検査」と「性格検査」の2つがあることをお伝えしました。

「能力検査」で出題される問題は一般常識や中学校卒業レベルの基本的な学力で対応できる問題がほとんどです。試験対策の問題集なども出版されているため、そういったものを活用するのも対策の一つです。

また、能力検査は試験時間に対して、かなり多くの問題が出題され、正答数よりも解答した問題数を評価する場合もあると言われています。一つの問題に捉われすぎるよりもできるだけ多くの問題に解答した方が良いかもれません。

「性格検査」では質問項目に対して「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3つの選択肢から答える形式になります。

性格を見るものでもあるため、自分の性格をよく見せようとせずに、偽らずに答えることが大切です。偽って答えてしまった場合、面接などの際にボロが出てしまうこともあるため、正直に誠実に答えるようにしましょう。

専門試験対策

専門試験は国家試験の問題をもう一度振り返るのが一番の対策になります。新卒の場合は記憶にも新しいと思うので、自分が使用していた問題集に目を通したり、過去の模擬試験を解いてみたりするのも良いかもしれません。

転職の場合も同様ですが、問題集などになると分量が多くなってしまうため、アプリなどを用いて苦手なところを重点的に学び直すといったことも対策手段の一つです。

小論文対策

小論文に関しては、限られた時間、資料の中でいかに論理的かつ、相手を納得させる文章を作成することができるかが鍵になってきます。

小論文の作例集なども出版されているので、論文を書くまではなくても、どのような文章が書かれているかを読んで雰囲気を掴んでおくと良いかも知れません。

実技試験対策

実技試験についてはPTが仕事をする際に行う基本的な評価方法や問診の方法などをみられることが多いようです。

学校での実技の講義を思い出しながら、友人や先生に患者さん役をお願いしてシミュレーションをしておくと良いでしょう。

面接対策

面接では、まずは身だしなみ、最低限のマナーを守った振る舞い、受け答えができるようにしておきましょう。聞かれる内容についてはだいたい決まっているので、事前に答えを考えておくと良いと思います。

志望動機やその職場を選んだ理由については必ずと言って良いほど聞かれるため、はっきりと答えられるようにしておきましょう。

新卒であれば、学校の先生に模擬面接などを行なってもらうと本番で緊張しにくいかも知れませんね。

3.理学療法士(PT)の就職試験に受かるためには?

PTの就職試験は職場によって大きく異なってきます。

面接だけのところもあれば、専門試験と小論文も併せて実施されるなど、職場によって対策の方法も変えなければなりません。そのため、まずは希望する就職先で課される試験内容について情報収集をすることが大切です。

新卒であれば卒業生に問い合わせるのも良いですし、学校によってはそういった資料を保管している場合もあるので、先生に聞いて見るのもオススメです。

公立の病院や施設に関してはS P I検査などの一般教養を課すことが多いようです。意外と難しく感じる場合もあると思うので、早めに問題集などで対策をするか、独学で難しい場合は公務員専門学校や通信教育などを活用することも可能です。

いずれにせよ、まずは就職試験で課される試験を把握することが何より大切です。

4.まとめ

今回は理学療法士(PT)の就職試験について、それぞれの内容と対策について詳しく紹介してきました。

国家試験もそうですが、就職試験も年々難易度があがっているところもあるようで、人気に職場に関してはその傾向が強いようです。

就職試験は自分が思い描くキャリアを描くための第一歩です。しっかりと踏み出せるように十分な対策をして臨んでくださいね。今回の記事がみなさんの参考になれば幸いです。

不明点がありましたら、是非PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。
理学療法士(PT)の求人・転職情報はこちら

関連記事

理学療法士(PT)の就職に関するおすすめ記事をご紹介。

【引用サイトU R L】
リクルートの適性検査SPI3>SPIとはどんな検査