理学療法士(PT)として働いていると、大変だなと思う時間を過ごすこともたくさんあると思います。自分が提供するリハビリに自信が持てない、仕事量が多い、職場の人間関係で悩みがあるなど、挙げればキリがないかもしれません。

しかし、PTとして患者さんと関わる中でやりがいを感じたり、楽しさを実感できたりすることもあると思います。今回はそういった瞬間を切り取って、紹介していこうと思います。

1.理学療法士(PT)のやりがいを感じるタイミング

PTとして働く中でやりがいを感じる瞬間は人それぞれ違うと思います。実際、私がこれまで務めてきた職場でも様々なタイプの方がいました。

ただ、ある程度共通している部分はありますので、私の考えも交えながら現場でよく聞かれるやりがいを感じるタイミングをまとめてみましたので紹介します。

患者さんの身体機能が回復・改善するとき

担当している患者さんのリハビリが進み、患者さんの身体機能が回復していることが確認できるとやりがいを感じるPTが多いようです。

患者さん自身が自分の身体の変化やできることが増えたことを実感でき、その事実を共有できると、大きなやりがいに繋がると思います。

患者さんが前向きにリハビリに取り組むとき

リハビリを行っている患者さんは、不慮の事故や疾病によって、一度気持ちが落ち込むことを経験している場合が多いです。そういった方はリハビリに対しても後ろ向きな気持ちを持っていることも多々あります。

最初はリハビリに乗り気でなかった患者さんが、PTの働きかけでポジティブに変わっていく姿を目にすると大きなやりがいを実感できます。

患者さん以外の方から喜びの声を聞いたとき

リハビリ中の患者さんに関わるのはPTだけではありません。患者さんのご家族や病棟の看護師など、日々患者さんに関わる方はたくさんいます。リハビリを提供する中で、そういった方々が患者さんの変化に気づくこともあります。

そんな時、「〇〇さん、最近病棟で□□ができるようになりました。」「お父さんがまた歩けるようになって嬉しいです」など、患者さんの周りの方から嬉しい声を聞くこともあるでしょう。

こういった声を聞くことができるとやりがいを感じますよね。

2.理学療法士(PT)が楽しいと思う瞬間

PTとして働いていて楽しさを感じる瞬間は少なくありません。

人それぞれ違うと思いますが、どんな時に仕事をしていて楽しいと思えるか、よく聞く意見をまとめてみましたので、一緒にみていきましょう。

患者さんと話している瞬間

PTとして働く上で、患者さんと話をすることは基本になってきます。人とコミュニケーションを取ることが得意であったり、好きであったりする場合は、患者さんと言葉のやりとりをする時間が楽しいものになるかもしれません。

コミュニケーションを取る中で、リハビリに関すること以外の話題に触れることもあります。患者さんの仕事の話や人生経験など、自分が知らない世界のことを聞けると、刺激をもらえ、楽しみを感じることもあるようです。

創意工夫しながらリハビリを行うとき

PTとして現場で働いていると、同じ疾患や手術を受けた患者さんでも、症状が異なっていることを経験します。それぞれの患者さんに対してオーダーメイドのプログラムを提供することが必要であり、それを考えることがPTの仕事の楽しみと捉えることもできます。

考案したプログラムが患者さんにうまくマッチして結果が出ると、より楽しいという気持ちが高まると思います。

自分が成長していることを実感できたとき

学校を卒業しPTとして勤務を始めた時、それは新たなスタートです。大変ですが、働きながら多くのことを経験し、学んでいく必要があります。

ある程度経験を積むと、働き始めたころよりも効率良く仕事が行えたり、患者さんの対応がスムーズにできたり、自身が提供するリハビリに自信が持てるようになったりといったことを実感する瞬間があります。

そういった時に成長を感じることができ、同時に仕事の楽しさを見出すPTも多いようです。

チーム医療で患者さんをサポートするとき

一人の患者さんをサポートする時、医療現場では様々な職種が関わることが一般的となっています。医師や看護師、介護士など多職種が関わるチームケアの中でもPTが担当する分野は、患者さんの生活に直結する部分でもあります。

積極的に情報交換をすることで、チームがうまく機能して患者さんにとって望ましいケアが提供できた時に仕事の楽しみを感じるPTもいます。

3.理学療法士(PT)を目指したきっかけ

仕事のやりがいや楽しさを感じる時、それは一種の達成感を得られた時かもしれません。PTとして何かを達成した時というのは、目指していたPT像に一歩近づけた瞬間だと思います。

目指す姿というのは、その人がPTを目指そうとした時に既に出来上がっていることが多いようです。こちらの章では、どのようなきっかけでPTを目指そうと思ったのかを体験談を交えて紹介していきます。

身内が理学療法士(PT)によるリハビリを受けた

私の場合、身内がリハビリを受けている場面をみて理学療法士という職業を知ることができました。

私の叔父が事故で脊髄損傷となり、入院先を家族と訪れた際、偶然リハビリをしている場面に遭遇しました。平行棒の中で起立練習や歩行練習を必死で行っている姿がすごく印象に残っています。

その後話を聞くと、叔父は担当のPTにすごく感謝していました。その出来事の後から、自分も誰かに感謝される大人になりたいという気持ちで自然とPTを目指すようになっていました。

理学療法士(PT)に接した経験がある

自分自身がPTのお世話になったことがあるという方も多いと思います。

スポーツや事故による怪我の後に、PTによるリハビリを受けたことでPTという仕事を知り、自分自身もあんな風に怪我をした人や病気の人の役に立ちたいという想いからPTを目指す場合もあります。

そんな時はお世話になったPTが自分の目指すPT像として残りやすいかもしれませんね。

家族が医療職に従事している

母親や父親が看護師やPT、OTといったリハビリ職である場合、普段から仕事のことを聞く機会が多いかもしれません。

職場の話を通して患者さんが良くなっていく様子を知ることで興味が湧いて、自分自身も医療職にと考えることも多いようです。

子供の頃に親が働いている病院に職場見学に行き、医療職が働いている場面を見て、PTを目指すことにしたという同僚もいました。

4.理学療法士(PT)になって思うこと

私が理学療法士(PT)として働き始めたころは、何もかもが新鮮で、わからないことも多かったのですが、とにかく患者さんのためと思って、できることを一生懸命やっていたなということを覚えています。

ただ、自分の力不足で悩んだこともたくさんありますし、患者さんに満足のいくリハビリを提供できなくて悔しい思いをしたこともあります。少し慣れてくると、今度は仕事が短調に思えてやりがいを見出せなくなってしまった時期もありました。

そんな時は、自分がなぜPTになりたいと思ったのか、もう一度初心を思い出してみるといった作業を繰り返してみました。そうすることで自分が何をすべきか、どうしたいかを再確認でき、仕事や学習に対するモチベーションを向上させることができました。

PTとしての理想像をもう一度イメージし、それを叶えるためにやるべきことと向き合うと、不思議とポジティブな気持ちになれました。

PTを志した理由やきっかけは一人ひとり違うと思いますが、仕事で行き詰まった時や辛い思いをした時は、初心にかえってみるとまた頑張ろうと思えることもあると思うので、試してみてください。

5.まとめ

今回はPTがやりがいや仕事の楽しさを感じる瞬間について紹介してきました。

仕事をしていると辛いこと、悲しいことも経験し、PTを辞めたいと考えることもあるかもしれません。しかし、初心を思い出し、自分が関わることで幸せや達成感を共有できた患者さんを想うことで、踏ん張れることもあると思います。

どんな時でも少し考え方を変えれば、暗闇の中に光が見えることもあります。今回の記事が少しでも皆さんの役に立つと幸いです。
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