近年は、働き方改革により仕事とプライベートのバランスを考える機会が増えています。

理学療法士(PT)の場合、就職をしてからも継続して勉強をしていく職業であるため、プライベートの時間が少ないイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、PTの働き方への理解を深めるにあたり、労働環境について分かりやすく紹介していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

1.理学療法士(PT)は年間休日110日がベース

PTの休日は職場によって変わりますが、基本的には週休2日としているところが多い傾向です。

年間を通して110日程度の休日が平均的ですが、福利厚生が充実している職場であれば年間休日が120日以上のところもあります。

次の章では、休日の内訳について詳しくご紹介していきます。

2.理学療法士(PT)の休日は施設形態の影響も大きい

PTの休みは働く施設の形態によるところが大きく、例えば急性期病院や回復期病院では365日体制でリハビリテーションを実施しているところも多いため、曜日に関係なくシフト制で休みを取る病院が多くなっています。

反対に介護施設やクリニックは、土日休み又は日曜日+平日1日休みの週休2日制を取っているところが多いでしょう。水曜日や土曜日の午後から半日休診となっているクリニックでは、PTの休みも半休となる場合があります。

それでは、長期休暇や祝日など具体的なものについてみていきましょう。

長期休暇は取得できることも多い

勤務先によって長期休暇の取りやすさは異なりますが、比較的クリニックはカレンダー通りの長期休暇を取りやすい傾向にあります。

それは、クリニックは夏季や年末年始などの数日間を休診にするところが多いため、クリニックのスケジュールに準じて休みになると必然的に長期休暇を取得することになるからです。

それに対して、急性期病院や回復期病院は、365日体制であればお盆も年末年始も変わらずリハビリテーションを提供しています。そのため、カレンダーとは数週間ずらして連休を取る必要があるなど、一般的ではない可能性があります。

そうした背景から、GWや夏季休暇、年末年始などで長期休暇を取るには、有給を使わなければならない施設もあるなど、職場によって休暇の取りやすさが異なるので、就職先を検討する際にチェックしておくと安心です。

祝日は休めないことも多い

介護施設やクリニックは土日や祝日が休日となるところが多いですが、365日体制でリハビリテーションを提供している急性期病院や回復期病院などは、シフト制が導入され、祝日出勤の代わりに平日に休みを取るケースがあります。

カレンダー通りに休めなくはなりますが、混雑の少ない平日に休める方が良いという人にとっては、シフト制の方が魅力的に感じるかもしれません。

また、週休2日制を取っている施設では、土日以外の祝日が休みにならないこともあります。特に年間休日が110日程度の施設において、その傾向があるので就職の際に確認しておきましょう。

土日休みかどうかは施設による

これまでご紹介したように、休みには様々なパターンがあるため、週休2日だからといって、必ずしも土日が休みになるとは限りません。

基本的に、クリニックなど入院している患者様がおらず、土日が休診となっている施設では休みになりますが、土日もリハビリテーションを提供している場合は、曜日に関係なくシフト制で休みを取るようになります。

また、施設によって休日の決め方も異なり、休めるスタッフの上限を超えない範囲で希望の日に休みを取れる施設もあれば、管理職が休日のほとんどを決める施設もあるため、就職の際には、その点も確認しておくと安心です。

3.休日もセミナーや勉強会への参加が必要に

一般職でも休日に仕事に関する勉強をしている人は多くいますが、リハビリ職に関しては、その傾向がより強く、日本理学療法士協会もセミナーや勉強会への参加を推奨しています。

実際に専門理学療法士や認定理学療法士など、理学療法士(PT)としてステップアップするためには、日本理学療法士協会が実施している生涯学習プログラムの修了が前提になるなど、資格取得後も学び続ける姿勢が求められます。

参加が必要となる講習会や勉強会は、主に休日や勤務後の時間に開催されていることから、特に若手時代は、休日を仕事に関することで使う機会が多くなります。

その他にも、興味のある分野を突き詰めていくと、必然的に勉強会への参加回数も増えていくため、休日が仕事に関することで埋まってしまうことも珍しくありません。

しかし、日々の業務だけでは見えない気付きを得ることや、治療の技術を高める機会にもなります。PTの業務は、知識とともに技術練習も必要となるため日々の研鑽は欠かせません。

大変に思うかもしれませんが、知識や技術力が向上するほど、目の前の患者様や利用者様のお役に立てることが増えていくため、休日もセミナーや勉強会に参加する方は多くいます。

またセミナーや勉強会は、他施設で働くPTとコミュニケーションを取れる貴重な場でもあります。勉強会に参加するモチベーションの高い同業者と接することは、自身のスキルアップにも大きな影響を与えてくれるでしょう。

4.理学療法士(PT)の労働環境について

PTを取り巻く労働環境の中でも、就職をする際に注目したいのが残業についてです。

PTは1日に請求できる保険点数が限られているため、保険の単位に基づくリハビリテーションの時間だけで、残業が必要になることはありません。

しかし、実際にはカルテ記載やカンファレンスなどによって残業が必要になることがあるため、ここでは具体的にどのような形で残業が必要になるのか、詳しく紹介していきます。

残業は就職先によって様々

残業に関しても施設により様々ですが、昔に比べると残業を減らすよう働きかける施設が増えてきている印象です。

前述したように、PTが1日に請求できる保険単位には上限があるため、リハビリテーション以外の業務を上手く回せれば、勤務時間内に業務を終わらせることも不可能ではありません。

そのため定時帰宅が当たり前という施設もありますが、業務後にカンファレンスや勉強会を行う施設では、自身の業務が終了していても残業が必要になることもあります。

また施設によっては、機能評価の要件となっている全職員対象の勉強会への参加が必要なこともあるなど、施設の規模や種類によっても残業の有無が変わってくるのが特徴です。

勤務スケジュールは自由度に決められる

PTは、リハビリ対象者の方のスケジュールに合わせて、自分の1日の流れを決めていきます。スケジュールの組み方に関しては、対象者の方のスケジュールを乱さない範囲であればPT自身が対応しやすいスケジュールで動くことが可能です。

リハビリテーションの場所も、対象者の方に合わせて設定するため、必ずしも決まった場所で介入する必要はありません。

自分で考えなければならないことは多いですが、慣れてくると自由に時間を組んでリハビリテーションを提供できるようになるので、上手くスケジュールを調整することで残業を回避することは可能です。

逆に、スケジュールが上手く回らないと勤務時間を過ぎてもリハビリテーションが終わらない場合があるので、残業の有無を決める大切な要素といえます。

5.まとめ

社会全体でも休日や残業の取り方などの改革が進んでおり、病院や介護施設などでも同様の動きが見えてきています。

日々の業務を充実させるためにはプライベートの充実も重要です。年間休日の日数に目がいきがちですが、それだけでなく有給休暇の取りやすさや、特別休暇の種類などにも注目して就職先を検討してみることをお薦めします。

理学療法士(PT)の場合は、業務以外でも自主的にセミナーや勉強会に参加することが多いのですが、そこで習得した知識や技術によって仕事がスムーズに進められることも珍しくありません。

自身らしい働きやすさを手にするために、就職した後も有意義に休暇を利用し、よりよいリハビリテーションを提供できるPTを目指しましょう。

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