言語聴覚士として働いていると、無意識のうちにやってしまう行動・言動ってありますよね? 今回はそんな「言語聴覚士あるある」をまとめてみました。「あるある?」と共感していただけると嬉しいです!

言語聴覚士が思わず「あるある」と思う瞬間

発声・嚥下に関するプロフェッショナルである言語聴覚士は、その専門性の高さから、一般の人にはなかなか理解されない思考や言動が炸裂しがちです。また、職場内では言語聴覚士が少なく、肩身の狭い思いをしている…という方もいることでしょう。

そんな言語聴覚士が無意識のうちにやってしまうことや、職場で感じる「あるある」を集めてみました。

他人の食べ方が気になる

友人と食事をしていたり、一人で外食をしたりしていても、「他人の食べ方が気になる」という言語聴覚士は多いと思います。噛み癖があるのは左右どちら側か、喉の動きはどうかなど、ついつい食べている人を観察してしまうのは立派な職業病です。

また、食事中に突然咳き込む人がいると、赤の他人であっても気になって仕方ありません。

他人の発声・発音が気になる

親しい友人・初対面の人・テレビの中の有名人など、喋っている人の「話し方」や「発声」を分析してしまうのは言語聴覚士ならではの視点です。日常生活の中で構音障害のある方に遭遇すると、ついつい構音器官をイメージしてしまう…という方もいるのではないでしょうか。

子どもを見ると、発達・発育の具合から年齢を推測してしまう

小さなお子さんを見かけると、言葉や身体の動きから発達段階や年齢を推測してしまう…というのは、小児の発達領域で働く言語聴覚士あるあるです。普段から子どもと接することが多いため、小さいお子さんを見ると自然と笑顔になるのも言語聴覚士ならでは。

リアクション大きくなりがち

言語聴覚士の仕事は、言語や嚥下に障害のある方が対象です。言語障害や嚥下障害は、短期間のリハビリですぐに効果が現れるものではなく、根気強い関わりが必要となります。

そのため、患者さんのリハビリに対するモチベーションを高めようと「すごい!」「今のいい感じですね!」と褒めて伸ばすのが非常に上手です。つい、普段からオーバーリアクションになってしまうことも…。

同じリハビリ職なのにPT・OTに壁を感じがち

理学療法士と作業療法士は、担当患者さんのリハビリを通して何かと接点も多いのですが、言語聴覚士は患者さんとマンツーマンでリハビリをすることの多い職種です。さらに、リハビリ職の大半を占める理学療法士・作業療法士に比べ、言語聴覚士は圧倒的少数派です。そのため、「疎外感を感じやすい」という方も多いのではないでしょうか?

逆に管理栄養士と仲良くなりがち

リハビリ職の中では疎外感を感じやすい言語聴覚士ですが、逆に打ち解けやすいのが管理栄養士です。嚥下評価や食事内容について意見を交わすことが多く、「リハビリ職より管理栄養士に親近感を感じる」という方も多いのでは…?

看護師から食事介助・口腔ケアを頼まれがち

昼食時に患者さんの食事の様子を見ようと病室を訪れると、「あ、STさん!◯◯さんの食事の様子、見ていきますよね?」と当然のように看護師から食事介助を頼まれます。大抵の場合は引き受けますが、「待ってました!」とばかりに食事介助を押し付けられたようで、少々複雑な気分になります。もちろん、食後の口腔ケアもセットです。

ST室が何かと占領されがち

医療職の中でも、言語聴覚士はかなりの少数派です。ST専用の訓練室が与えられている職場は恵まれているほうですが、ST室が別の用途で使用されることもしばしば。たとえば、PTやOTの実習生が来たとき。実習期間中は、学生の記録やカンファレンスで占領されます。

それ以外にも、上司との面談・ミーティングなど何かと「ST室借りるね?」という場面が多く、居場所がない…という気持ちになることも。

同僚から親・子どもの相談を受けがち

同僚との雑談中、「うちの親、食事中によくむせるんだけど…」「うちの2歳の子、言葉が遅い気がするんだけど…」など、いつの間にか『家族からの相談を受けるST』の構図になっていることも。

辛いこと「あるある」

次は、言語聴覚士ならではの「辛いことあるある」を見ていきましょう。

「食事開始」「食上げ」のプレッシャーが辛い

医師・看護師からの「嚥下評価いつやります?」「食事開始は?」「食上げまだですか?」のプレッシャーが辛い!他職種からの圧に屈せず、しっかり評価をして食上げを判断します。

すぐにリハビリの結果が出なくて辛い

言語聴覚士が介入する言語障害・嚥下障害・発達障害などは、短期間のリハビリですぐに効果が現れるものではありません。気長にコツコツと継続することが大切ですが、中には期待する効果を得られない患者さんもいます。患者さんや家族から不満をぶつけられ、自分のやり方に自信をなくすことも。

言語聴覚士の専門性・役割を理解されず辛い

言語聴覚士の歴史は浅く、日本で最初の言語聴覚士が誕生してまだ20年余り。「言語障害・嚥下障害のリハビリをする人」と認知されてはいるものの、その高い専門性や業務内容を理解している他職種は意外と少ないのです。

食事介助や口腔ケアを頼まれることも多く、「介護要員」として見られているのでは…?とモヤモヤすることもしばしば。

給料が安くて辛い

施設によっては、同じリハビリ職であるPTやOTに比べて給与が低く設定されていることも。言語聴覚士の専門性や能力が適正に評価されていないようで、なんだかむなしくなってしまいます。

以上、「言語聴覚士あるある 」をご紹介しました。共感していただけるものはありましたか?言語聴覚士は非常にやりがいのある仕事ですが、ときに「仕事が辛い」「モチベーションが保てない」と感じることもあります。そんなときは「あるある」を見ながらクスッと笑ったり、「こんなこともあるな?」と考えてみたりして、気持ちを楽にしてくださいね!

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