言語聴覚士は話すことや聞くこと、食べることになどに問題を抱える方の機能を回復させるサポートをするやりがいのある仕事ですが、ストレスを感じることもあり、人によっては「うつ病」など精神的な疾患を抱えてしまう方もいます。

今回は、言語聴覚士として精神的に追い詰められてしまっている方に対して、その原因や対処方法について解説します。

うつになってしまう原因は

うつ病を発症する原因はまだはっきりとわかっていないものの、過度なストレスが引き金になって起こることがあると考えられています。言語聴覚士の職場では、ほかの職場にはない特有のストレスを感じる状況があります。

ここではストレスの原因になりやすい要素をいくつか考えてみたいと思います。

職場の人間関係

言語聴覚士が働く現場は閉鎖的な環境になりやすい職場が多く、少人数でチームを組むことも多いです。自分が苦手だと感じる相手とも密にコミュニケーションを取る必要があり、これがストレスの原因になることがあります。

また、言語聴覚士の職場では医師や看護師、理学療法士や作業療法士など専門職が多く集まる職場で連携を取りながら仕事を進めていくことが必要です。専門領域が違うために意見が衝突してしまうことがあり、それが繰り返されることによってストレスがたまるケースもあります。

周囲から理解されにくい

言語聴覚士は配置される人数が少ないことや比較的新しい職種ということもあって周囲から理解や認識がされていないことがあります。そのため、職場によっては発言権が弱かったり、意見が通りにくかったりするケースがあります。

患者さんやご家族との関係

言語聴覚士は患者さんと会話しながら信頼関係を築いていくことが必要になるため、自分と趣味趣向や倫理観がまったく違う患者さんや苦手な方の話にも耳を傾け続けなければなりません。また、患者さんの家族から冷たい言葉を浴びせられたり、クレームを受けたりすることもあります。

このように、言語聴覚士の仕事はほかの職種や介護職とも違うストレスを抱えることがあり、これらが原因となって精神疾患を抱えてしまうことがあります。

うつになったら、まずは思い切って休むのも一つの手です

うつ病の特徴は見た目からは、かかっていることがわかりにくいということが挙げられます。そのため、身近な人であっても危険な兆候を見逃してしまいがちです。また、気分が安定している時は何の問題もなく仕事ができますが、気分が落ち込んでいる時はいつも通りに仕事ができなくなります。

うつ病の場合、放置していても勝手に治るということはありません。もし無理をして仕事を続けると、だんだん体を動かすことすら面倒に感じるようになってきて、やがて仕事に行くことができなくなったり、さらに症状が悪化したりすることもあります。

そのため、もしうつ病になってしまった場合は思い切って仕事を休み、しっかり療養するのも一つの方法です。ストレスの原因となっている職場環境や人間関係、業務内容などを調整してもらうことによって、うつ病とうまく付きあえることもありますので、まずは医師や上司などに相談してみるとよいでしょう。

療養後の復職はできます

うつ病のために療養することに決め、休職や退職した場合でも医師から復職の許可が出れば、言語聴覚士として復職することや、新たな就職先を探すことができます。うつ病の原因となった要素を分析して、そうした要素を含まない仕事を探したり、上司と相談して職場環境や業務内容などを調整してもらったりしましょう。

もし新たに仕事を探す場合には、ハローワークにある疾患や障害のある人の就職活動をサポートしてくれる窓口(専門援助部門)や、職業訓練から就職活動のサポート、就職後の定着支援などを行ってくれる「就労移行支援事業所」と呼ばれる支援機関などを利用しながら復帰を目指すとよいでしょう。

それでも不安や不明点があれば、是非PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。
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